東京商工リサーチは5月24日、2016年決算「上場3,079社の平均年間給与」の調査結果を発表した。それによると、2016年(1~12月)の上場3,079社の平均年間給与は前年比6万3,000円(1.0%)増の605万7,000円となった。増加は5年連続で、2011年の調査開始以来、初めて600万円台に乗った。
業種別1位は金融・保険業
業種別にみると、金融・保険業が702万9,000円(前年698万円)と唯一700万円台に乗せ、3年連続の1位。次いで建設業の671万9,000円、不動産業の663万7,000円、電気・ガス業の658万6,000円と続いた。一方、最も低かったのは小売業の500万円(同496万3,000円)で、調査開始以来、6年連続の最下位となり、1位の金融・保険業とは約1.4倍の差がついた。
個別企業では、M&A助言会社のGCAが2,139万6,000円と唯一2,000万円を上回り、2年連続の首位。2位は不動産業の日本商業開発で1,741万円だった。1,000万円以上は60社(全体比1.9%)となり、調査開始以来、最多を記録。他方、500万円未満も723社(同23.4%)あり、東京商工リサーチは「上場企業の平均年間給与は二極化が拡大している」と指摘している。
平均年間給与が前年より増えたのは1,892社で、全体の61.4%を占めたが、前年(2,060社)より169社減少した。一方、前年より減ったのは1,167社(全体比37.9%、前年997社)、横ばいは20社(同0.6%、同22社)だった。
東京商工リサーチは、上場企業の給与は着実に上昇しているものの、「業種間で格差は拡大し、また中小企業との給与格差も縮まる兆しはみえない」と分析している。