東京都杉並区が「保育緊急事態宣言」を解除 - 待機児童は29名に(写真はイメージ)

東京都杉並区は5月22日、「すぎなみ保育緊急事態宣言」を解除した。同宣言は、平成28年4月時点で、平成29年4月の保育所入所待機児童が560名を超えることが見込まれたため出されていたもの。区立公園などを活用した保育所の整備を進めてきた結果、平成29年4月の待機児童が29名となった現状などを受けて、解除に至った。

杉並区では同宣言に基づき、平成28年度にもともと計画していた759名分の保育施設整備に加え、区立施設を活用した320名分の整備を追加。さらに同年度の5月には、区立公園などを活用し、さらに1,141名分の追加整備を進めることになっていた。

結果として、平成29年4月には、併せて2,348名分の定員増を実現。申込者数4,457名のうち、3,787名が認可保育所等施設(2,921名)、区保育室及び定期利用保育施設(407名)、認証保育所等のその他認可外保育施設(459名)に入所し、待機児童数は29名となった。

施設整備数等の推移

子どもの年齢別、入所申込者数及び入所者数

ただし、この人数は区の定義によるもの。区により保育の必要性を認定され、施設申し込みをしたが入所できず、「親類・知人・友人に預ける」「子どもを職場に連れて行く・在宅勤務に変更する」「ベビーホテルに預ける(区の保育料補助対象外)」「ベビーシッターを利用する」「育児休業を延長する」「求職中のひとり親家庭」などに該当する人が対象となっている。

地域別の待機児童数は、以下の表のとおりとなっている。

同区地域別待機児童数

同区は、「可能なら育児休業を取得したいとの意思があるが、経済的な理由や職場からの早期復帰の要請、あるいは早くに預けないと保育所に入りにくくなるという考えなどから、復職を優先させている方が一定程度いることが推測される。こうした方々のためには本来、企業等の働き方改革や育児休業制度の充実、保育所の利用調整指数の見直し等によって、安心して育児休業を取得できる社会を実現することが理想である」とコメント。平成30年4月には、新たに994名の定員を確保できる予定としている。