ホンダ エアクラフト カンパニー(以下、HACI)は現地時間の5月21日、スイスのジュネーブで5月21~24日まで開催されている欧州最大のビジネス航空ショー「EBACE2017(2017 European Business Aviation Convention & Exhibition)」にて、東南アジア地域での受注開始や欧州での受注状況などを発表した。
HACIは、タイのバンコクに本拠を置くThai Aerospace Services(以下、TAS)社を東南アジア地域における初めてのディーラーに指定。TAS社は40年以上の活動実績を有し、今後はホンダジェットのディーラーHondaJet Southeast Asiaとして、タイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、およびベトナムにおける同機の販売の他、各種のサービスやサポートを行う。
ホンダジェットの開発責任者であり、HACI社長の藤野道格氏は「我々は、アジアでの市場性を検討してきました。東南アジアにおけるホンダジェットに対する関心は非常に高く、東南アジアでのホンダジェットの受注を開始いたします。この地域のビジネスジェット機の市場の成長率は高いと予測されており、ホンダジェットへの潜在需要も高いと見ています」とコメントしている。
TAS社のカサボル・ボウォンスリカン社長は、「TAS社がホンダジェットのディーラーとしてお客さまのサポートをすることができることをうれしく思います。高性能、高効率なホンダジェットを用いることでASEAN諸国の移動がより効率的になり、この地域の経済効果にもポジティブなインパクトを与えることでしょう」と述べた。
また、欧州でフラクショナルオーナーシップ(分割所有)のプログラムを提供するFlyHonda社から、複数機のホンダジェットの受注を獲得。マン島に本社を置くFlyHonda社は、顧客がパイロットあるいはコパイロットとしてホンダジェットを操縦し、ビジネスジェットの飛行を楽しむというサービス(turn-left or right)も提供している。このサービスは、英国および南欧州において提供していく。
4月19日には、パナマで開催された航空ショー「Aero Expo Panama Pacifico 2017」にてホンダジェットの展示を実施。ホンダジェットは移動のため、米国東部時間14時40分に米国マイアミを出発し、高度4万3,000フィート・約35ノットの向かい風の中、17時47分にパナマに着陸した。飛行時間は3時間7分で、この区間の最短飛行時間記録として米国航空協会(The United States National Aeronautic Association)に公式認定された。
ホンダジェットは2015年12月に米国で納入が開始され、現在はカナダとメキシコを含む北米、欧州、中南米および東南アジアで販売されている。2017年第1四半期には、15機の ホンダジェットがデリバリーされている。