日銀がマイナス金利政策を実施してから1年余り。今や、1年もの定期預金金利が0.01%という銀行の店頭表示を見ても驚かなくなってしまいました。しかし、よく考えてみたら100万円を1年預けても金利は100円(税引前)。これでは、ほかの運用先を考えたくなるのも当然です。
そこで、いま注目をしたいのが日本株の高配当銘柄。"高配当って何? "という株式投資初心者の向けに、その仕組みと具体的な投資方法をご紹介します。
高配当銘柄とは? 配当利回りはどう計算する?
配当とは企業が株主に分配する利益で、投資家が保有する株数に比例して分配されるお金。通常は決算時や中間期に分配されますが、特別大きな利益がある年には特別配当として上乗せされることもあります。
配当利回りとは、この配当を購入した株価に対してどのくらい受けられるかを示す数値で、計算式は
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株当たりの購入金額×100
となります。つまり配当金額が同じなら、購入株価が高いと配当利回りは下がり、購入株価が低いと配当利回りは上がります。
証券会社のHPで検索したり株式のランキングサイトを見たりすると、定期預金金利が0.01%の現在にも関わらず、3%を超える配当利回りの企業が200社以上もあります。
配当利回りは高いが、株式投資だからもちろんリスクはある
現在の配当利回りは預金金利に比べてかなり有利ですが、もちろん株式投資ですからリスクもあります。前項で説明したように購入した株価によって配当利回りは変わりますし、企業の業績によって配当額が変わることもあります。
ですから配当利回りの高さだけでなく業績などを見極める必要があり、初心者には銘柄選びが難しいのも事実。お目当ての銘柄がみつかったらしばらくウォッチし、相場全体が下がる時期を待つのが損をしない秘訣です。
投資初心者でも投資しやすいETF、投資信託
個別株でリターンを得るためには情報収集などが欠かせないため、初心者にはハードルが高めです。そこで選択肢となるのが、プロに運用を任せる投資信託やETF。
配当利回りに着目し、予想配当利回りが市場平均を上回り、中長期的に値上がり益が期待できる銘柄を選別して運用する投資信託には下表のようなものがあります。
指数に連動するETF(上場投資信託)は、投資信託よりも手数料が低く株式同様に取引できるため、初心者でもわかりやすい商品。配当関連指数に連動するETFも本数が増え、現在は下表の4本が上場されています。
世界的に見ると、日本企業の純利益における配当の割合(配当性向)はまだ低めということもあり、株主へ利益を積極的に還元する企業は増えるといわれています。値上がり益を狙うよりはリスクが低めな、配当狙いの株式投資に注目してみませんか。
鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。