模型の有名メーカーが一堂に会し、新製品を発表する「第56回 静岡ホビーショー」(主催 : 静岡模型教材協同組合)が5月11~14日の4日間、静岡市のツインメッセ静岡にて開催された。毎年7万人以上が来場するホビーのビッグイベントで、今年は合計80ブース(78社+2団体)出展したという。当記事ではクルマ・バイク関連の展示モデルを振り返る。
「タイレル P34」がRCカーとスケールモデルで再登場
今年の目玉となったのは、1976年にデビューした6輪のF1「タイレル P34」の実車展示。普段はタミヤ本社の2階ロビーに「ロータス91フォード」などと一緒に並べられ、毎年、静岡ホビーショーと同じ日程で一般公開されていたが、今年はショー会場のタミヤブースに華々しく登場した。これは「タイレル P34」のモデル化40周年を記念したもので、ティレルF1チームの創設者であるケン・ティレル氏の息子ボブ・ティレル氏から、モデル化の経緯やタミヤとの交流を回想したメッセージも寄せられていた。
タミヤの「タイレル P34」は現在でも人気が高く、RCカー、スケールモデルともに定期的に再販されるなどしている。会場では、スケールモデルの1/20「タイレル P34 1976 日本GP」と1/12「タイレル P34 シックスホイーラー」の再リリースと、タイヤを変更するなどのリニューアルを行った1/10電動RCカー「タイレル P34 1976 日本GP」が発表された。いずれも7月発売予定となっている。
人気の二輪「アフリカツイン」やデコトラの実車も会場に
「タイレル P34」の実車の横には、海外に続いて昨年国内でも発売され、話題となったアドベンチャーツアラー、ホンダ「CRF1000L アフリカツイン」の実車も。こちらもタミヤから1/6スケールモデルが6月に発売予定だ。フロントフォークには金属製のパーツが使われ、スプリングを内蔵して可動するなど、実感あふれる仕上がりとなっていた。
もう1台、目立ちまくっていた実車が、屋外に展示されたデコトラ「ミスターX」だ。さんまなどを運ぶ水産便トラックで、走行距離は100万kmオーバーだとか。以前からデコトラのプラモデルを手がけているアオシマが製品化し、7月に発売予定とのこと。
「スカイライン」60周年、石原裕次郎没後30年…特別企画が続々と
さて、2017年は日産「スカイライン」生誕60周年にあたる年だ。京商は1/27スケールの小さなRCカー「ミニッツレーサー」シリーズに、このタイミングでBCNR33を追加した(7月発売予定)。「スカイライン GT-R」はこれまでにBNR32とBNR34が製品化されているが、実車ではチューニングベースとしてあまり人気のなかったR33もラインナップに加え、ファンをにやりとさせていた。
トミーテックは石原裕次郎の没後30年を偲び、映画『栄光への5000キロ』でドライバー役の裕次郎が駆った「ダットサン ブルーバード」のミニカーを試作。イグニッションモデルとのコラボレーションによる1/43スケールと、トミカリミテッドヴィンテージブランドの1/64スケールの2台を参考出品した(いずれも発売未定)。展示コーナーには『西部警察』の1/64 「ガゼール」(8月発売予定)や木暮課長のフィギュア(発売中)も並んだ。
今年はカーディーラーの出展もあり、ルノー静岡・ルノー沼津ブースでは「メガーヌ RS」を、静岡マツダブースでは「ロードスター」「デミオ」「CX-5」などを間近で見ることができた。「ロードスター」と「デミオ」のそばにタミヤのRCカーの展示も。実車あっての模型だけに、今後も実車の展示や模型メーカーとの連動企画などに期待したい。