三菱ふそうトラック・バスは15日、新型大型観光バス「エアロクィーン」「エアロエース」を発売した。国内の大型観光バスとしては初となる新型8速AMT「ShiftPilot」を全車に搭載したほか、新型直列6気筒7.7L軽量エンジン搭載による車両重量の軽減、先進安全技術の組み合わせによる安全性の大幅な強化などが行われている。
新型8速AMT「ShiftPilot」は、クラッチペダルのない2ペダル方式の8速機械式自動トランスミッション。一般的なオートマチックトランスミッションのように、Dレンジでの運転操作だけで路面状況や車両負荷などに応じた変速操作が自動的に行えるため、運転操作における負担軽減が望め、さらなる安全な運転環境に貢献する。シフト操作はステアリングコラム左側に配置されたマルチファンクションレバーで行い、レバー内のダイヤルを回すことにより、容易なシフト操作が可能となっている。
搭載する「6S10」型エンジンは、従来型が搭載していた直列6気筒12.8L「6R10」型エンジンから、排気量にして約40%のダウンサイジング化を実現。過給システムには小型ターボ(高過給)と大型ターボ(低過給)による2ステージターボチャージャーを新たに採用し、低速域での応答性能と高速域での力強さを両立した。それぞれのターボを有効に活用することで、小排気量ながら大型観光バスに必要な高い出力特性と低回転域から力強いトルク特性を実現している。また、トップクラスの低燃費性能により、全車が平成27年度重量車燃費基準+15%を達成し、エコカー減税の「免税」対象となった。
安全性では、従来型の「AMB2.0」を発展させた衝突被害軽減ブレーキ「ABA3」を採用。前走車や停止車両との衝突可能性を認識すると警報ブザーとディスプレイ表示によって回避を促し、さらに衝突の危険が高まった際には限定的なブレーキ力が立ち上がる。それでも衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、警報ブザーを発報するとともにフルブレーキを立ち上げ衝突回避をサポートする。その他にも、運転支援技術の「アクティブ・アテンション・アシスト」「ESP(Electric Stability Program)」「プロキシミティー・コントロール・アシスト」などを搭載する。
新型「エアロクィーン」と「エアロエース」の東京地区販売価格は、型式「2TG-MS06GP(H)」が4,634万6,000円、型式「2TG-MS06GP(Q)」が4,960万7,600円(価格はいずれも税込)。