就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」は16日、「長く快適に働ける上場企業ランキング」を発表した。同サイト内での求人検索で人気な「待遇の満足度・人材の長期育成・風通しの良さ」を採点したもので、日本郵船、旭化成、三井不動産が上位となった。インフラ系企業、製薬会社が上位に多くランクインした。
厚生労働省の調査でも、「出来るだけ1つの企業で、長く勤める」ことを希望する割合は6割と高く、転職者は「長く快適に働ける企業」を希望している人が多いようだ。そこで調査レポートでは、これら指標のスコア合計に加え「残業時間が月間平均40時間以下」の上場企業に絞ってランキングを作成した。
まず「待遇の満足度」では、ランクインした企業の多くが、日本企業特有の年功序列型の給与システムを採用していることがわかる。「30歳で800万円、40歳で1000万円。完全な年功序列。40歳ごろまでは殆ど同期で差がつかない(営業、男性、日本郵船)」。
また、「人材の長期育成」では、ランクインした企業の多くに充実した研修制度があることがわかる。「様々な教育制度が設けられ、金銭面でのサポートも充実。社内には各職階ごとに受けるのが必須の研修がある。色々な業種に参入しているが、研修時にはさまざまなセクションから人が集まるので、社内で異業種交流会のような感じになったりもして、結構楽しい(研究職、男性、旭化成)」。
上場企業に限定した今回のランキングでは、大企業が多くランクインした。「風通しの良さ」の評価点の高さを裏付けるフラットな社風が、多くの社員クチコミから見えてくる。「組織及び企業文化としては大変風通しの良い会社であると感じている。理不尽な上下関係はなく、自分の裁量の中で自由に仕事を進めることが出来る(営業、男性、日本郵船)」。
20年前であれば安定企業の上位に入っていたであろう電機メーカーがすべて圏外となっていることを考えると、トップ30にランクインした企業においても安心は出来ず、個人の市場価値が問われることも認識しておくべきだろう。