米Microsoftは5月11日 (現地時間)、同社の開発者カンファレンス「Build 2017」(5月10日~12日、米シアトル)でWindows 10の次期大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」を発表した。名前が示すように、今年4月リリースの「Windows 10 Creators Update」に続くクリエイティビティをテーマの1つとしたアップデートであり、また異なるデバイスをつなぐクラウド連係が新たな強化点になる。正式版のリリースは今年秋を予定している。
クリエイティビティに関しては、新たに「Windows Story Remix」を提供する。AIと機械学習を用いて写真やビデオを整理・分析し、ユーザーがシンプルなステップでストーリー性のあるコンテンツを作成できるようにする。たとえば、サッカーの試合の場合、ビデオに映る各プレーヤーをAIが認識し、ユーザーが特定のプレーヤーを選択するだけで、そのプレーヤーを中心にした試合のダイジェストビデオにまとめられる。シュートしたボールを火の玉の3Dオブジェクトに置き換えるといったことも可能。Story RemixはユニバーサルWindowsアプリ (UWA)として構築され、Windows Storeで配信される。
基調講演では、今年のホリデーシーズン向けにWindows Mixed Realityヘッドセットを発売するようにパートナーメーカーが準備を進めていることも公表した。Fall Creators Updateのタイミングで、より多くのWindows 10ユーザーがミックスド・リアリティを体験できるようになる。
クロス-デバイス体験は、Microsoft Cloudをハブに、あるデバイスでの作業や開いているコンテンツなどを別のデバイスでもスムースに利用できるようにする。Fall Creators Updateでは「Timeline」「Pick Up Where You Left Off」「Clipboard」「OneDrive Files on Demand」といった連係機能でクロス-デバイス体験を実現する。これはWindows 10デバイス間だけではなく、互換性のある機能はAndroidデバイスやiOSデバイスとの間でも利用できる。
Timelineは過去の作業をタイムライン形式で表示し、アイテムを選択するだけで、その時に使っていたアプリケーション、ファイル、開いていたWebサイトなどを呼び出して作業を継続できる。
Pick Up Where You Left Offは、ドキュメント編集やWebページ閲覧などを対応デバイス (Windows 10、iOS、Android)の間で継続できるようにCortanaがサポートする。たとえば、PCで読みかけのニュース記事がある時に、スマートフォンを開くとCortanaが他のデバイスのアクティビティとしてリストし、スマートフォンですぐに再開できる。
Clipboardは、クリップボードにコピーしたデータ (テキスト、写真、マップのリンクなど)を、クラウドを通じて別のデバイスでも貼り付けられる機能。すばやく別のデバイスで使いたい時にコピー&ペーストだけで完了する。
OneDrive Files on Demandは、クラウドにある全てのファイルをFile Explorerに表示し、ローカルストレージを消費することなく、必要な時にオンデマンドで利用できるようにする。ストレージ容量の違いに関係なく全てのデバイスで、OneDriveの全てのファイルにアクセスできる。