西武鉄道は11日、2017年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。今年度は総額234億円を投じ、安全対策やサービス向上、環境対策などの投資を行う。3月に有料座席指定列車「S-TRAIN」でデビューした新型通勤車両40000系の増備も進められ、今年度はロング・クロスシート転換車両を4編成導入する。
新型通勤車両40000系は2016年度に2編成導入された。同社初となるロング・クロスシート転換車両で、クロスシート2席につき1カ所ずつ電源コンセントを設置。10号車の「パートナーゾーン」、中吊り広告に代わる広告用デジタルサイネージ「Smile ビジョン」、長距離の運行に対応したトイレの設置など、平日の通勤から土休日の観光まで快適な移動空間を提供するためのさまざまな工夫が施された車両となっている。2017年度もロング・クロスシート転換車両を4編成増備し、快適な着席サービスの拡大を図る。
サービス向上の設備投資として駅空間の快適性向上にも取り組み、2018年春には「所沢駅東口駅ビル計画(第I期)」として所沢駅東口の駅ビルが開業予定。所沢駅では将来の西口開発計画も見据え、街の進化を促進させることをテーマに「コミュニティ型の商業施設を中心とした駅ビルの開発」を進めるとしている。ひばりヶ丘駅北口では2018年度の完了をめざしてバリアフリー化も推進される。情報配信機能も強化され、今年度は列車位置情報などがわかるスマートフォン向けアプリ(iOS・Android対応)の導入が予定されている。
安全対策への投資にも重点を置き、ホームドア整備や内方線付き点状ブロックの整備を進める。ホームドア整備を実施中の池袋駅では今年度、4~6番線ホームにもホームドアを設置。1日あたり乗降人員10万人以上の駅(将来の想定含む)へのホームドア整備も2020年度をめどに推進され、練馬駅・西武新宿駅・高田馬場駅・所沢駅・国分寺駅で今後設置予定とされている。新宿線連続立体交差事業の推進、駅・橋りょうの耐震補強、法面の改良をはじめとする安全対策についても設備投資を行うとのこと。