スカイマークは5月14日より、特別デザイン機「タカガールジェット」を運航。運航に先駆け、5月10日に同機を披露した。スカイマークは今回の取り組みを通じて、同社が弱いとしている若年層の女性も含め、幅広い年齢層の女性ファン獲得、また、福岡線の認知向上を目指す。

5月14日に特別塗装機「タカガールジェット」就航(左から、福岡ソフトバンクホークス取締役執行役員 吉武隆氏、ホークファミリーのハニー、スカイマーク代表取締役会長 佐山展生氏)

世代を問わず広く女性にアピール

今回の取り組みは、福岡ソフトバンクホークスの営業とスカイマーク代表取締役会長 佐山展生氏との間で、「阪神タイガースとやっているなら、福岡ソフトバンクホークスともやりましょうよ」という話が出たのがきっかけ。2017年1月に動き始め、3月にはオフィシャルスポンサー契約締結に至った。

タカガールジェットは、福岡ソフトバンクホークスを応援する女子の総称「タカガール」をデザインした機体。ボーイング737-800(JA73NJ)を使用し、5月14日からプロ野球シーズン終了をめどに、スカイマークの全路線を対象に運航する。初便は14日のSKY003便(羽田07:40発/福岡09:35着)とSKY008便(福岡10:15発/羽田11:55着)。対象便は運航日の前日にFacebookを通じて発表するが、当日対象便が変更になる場合もあるという。

特にこの14日は、タカガールにとって年間で最も大事なイベント「タカガール デー」(楽天戦)が行われる。2016年開催時には3万人の女性が訪れており、タカガールジェットはイベントの盛り上げにも一翼を担うことになりそうだ。福岡ソフトバンクホークス取締役執行役員の吉武隆氏も、「このジェット機が全国を飛ぶことで、タカガール、そして、ソフトバンクホークスファンが増えることを確信しています」と述べた。

ハリーとハニーとタカガールジェット

タカガールは、女性ファン向けのイベントとして2006年にスタートした「女子高生デー」が、2014年から女性ファン全員が対象となる「タカガールデー」としてスケールアップし、この年からソフトバンクホークスを応援する女性ファンの総称として用いられるようになった。テーマカラーはピンク色となっている。

タカガールは年齢に偏りなく、10~60代と幅広い層にわたっている。そのためスカイマーク代表取締役会長の佐山展生氏も、「一気に女性ファンの獲得を狙える助っ人」として、今回のタカガールジェットを位置づけている。

スカイマークが弱いとしている若年層女性も含め、広く女性客の獲得を目指す

CAもタカガールに

機体には左右で異なるデザインを採用。テーマカラーであるピンクをメインとしており、大きなハートも描かれている。搭乗口のそばにもハートがあるのでお見逃しなく。

左右でデザインが異なる

搭乗口のそばにも

機内も、ソフトバンクホークスやタカガールにちなんだ演出で乗客を迎える。機内で流れる音楽はテーマソング「いざゆけ若鷹軍団」を、CAが着用する制服はスカイマークオリジナルのタカガールユニフォームを着用。ヘッドレストカバーにも、ピンクとグレーの2カラーを用いた特製デザインとなっている。

CAの制服もタカガールユニフォームに

ヘッドレストカバーもオリジナル

背番号は機材にちなんで737

さらに、14日の就航初日には、オリジナルグッズのプレゼントも実施。SKY003便(羽田07:40発/福岡09:35着)とSKY008便(福岡10:15発/羽田11:55着)の搭乗者には全員に、オリジナルデザインのフライトタグを用意。また、14日にタカガールジェットに搭乗した全員に、オリジナルデザインのクリアファイルをプレゼントする。

14日の就航初日には搭乗者にプレゼントも

羽田=福岡線の認知度7割以下を引き上げる助っ人

スカイマークの調査によると、スカイマークを知っている人は99%であるものの、スカイマークが羽田=福岡線を運航していることを認知している人は7割以下だったという。同社の羽田=福岡線における平均搭乗率は90%を越えており、同社にとっても「福岡空港は大事な拠点」(佐山会長)と位置づけている。

また、スカイマークは国内航空会社のベスト3に入る定時運航率の高さを支えに、ビジネス利用者も増えているという。さらに客層を広げるため、女性をターゲットにした取り組みとして、福岡におけるひとつのアイコンとも言えるタカガールをキーワードにすることで、路線の認知と共に女性客の取り込みを目指している。

元々、スカイマークが翼にデザインしているハートとも相性ぴったり

スカイマークは今年度、チャーター便での国際線就航も視野に入れている。このタカガールジェットも国を超えるのかは未定だが、今回の展開に関して佐山会長は、「航空会社は安全が第一です。続いて定時性。次に価格。そして、今回のようなどこにもできないような楽しい企画。それをどんどん、スカイマークとしてはやっていきたい」とコメントしている。

スカイマークが女性たちの行動・交流を深めるきっかけに