5月9日に投票が行われた韓国大統領選挙で文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に選出されたことを受け、日本経済団体連合会の榊原定征会長は10日、「日韓関係については、未来志向で良好な関係を発展させていただけるよう期待している」とのコメントを発表した。
朝鮮半島情勢、「適切に対応いただきたい」
榊原会長は「新大統領には、韓国の政治・経済を一刻も早く安定化させていただくとともに、国際社会が注視する朝鮮半島情勢の動向に対して、関係国と連携の下、適切に対応いただきたい」とコメント。その上で「経団連としても引き続き、両国経済の緊密化に向けて経済交流を進め、日韓関係の一層の発展に貢献してまいりたい」と述べた。
また東京商工リサーチは5月9日、韓国大統領選挙の実施に伴い「日系企業の韓国進出状況」調査結果を発表した。それによると、韓国に進出している日系企業は393社で、拠点数は715拠点に上った。
産業別にみると、製造業が253拠点と最も多く、次いで卸売業の206拠点、サービス業他の204拠点と続いた。一方、建設業は4拠点、金融・保険業は10拠点と、進出があまり進んでいない産業も見受けられた。同社は「財閥を中心とした韓国独特の経済構造が日系企業の参入を阻んでいる可能性もある」と分析している。
業種別では、「卸売業(耐久消費財)」の154拠点が最多で、同社は「日本の総合電機メーカーや自動車メーカーが、サムスンや現代などの韓国メーカーが強力な市場とブランド力を誇る韓国市場を重視していることがわかる」と分析。以下、「分類不能業種」118拠点、「電気機械器具製造業」60拠点、「事業関連サービス業」54拠点と続いた。