レノボ・ジャパンでは、2017年度のデータセンター事業における重点方針として、HCIへの取り組みを掲げている。

「HXシリーズは、仮想化基盤およびVDI基盤に最適なHCIとして高い評価を得ている。ハイブリッド環境を提供できること、シンプルなハードウェア構成とシンプルな運用管理機能を実現していること、スモールスタートが可能であり、拡張性のあるインフラを活用しながら最適な投資ができることが特徴である。さらに、米沢ファクトリー・インテグレーション・センターを通じて、高い品質を提供できることは、国内におけるHCI事業の拡大において重要な意味を持つ」と語る。

完成したLenovo Converged HXシリーズ。「米沢工場検査製品」のシールが貼られる

同社は、大手製造業をはじめとする設計、製造領域に対しHCIの活用を提案するほか、エンタープライズクラウド向けにHCIを提案する。さらに2017年度からは、中堅・中小企業に対するHCIの提案を積極的に開始する姿勢を見せている。

「2016年度は金融機関をはじめ、製造、情報通信、メディアなど幅広い分野でHXシリーズが導入された。仮想化基盤としての導入が全体の74%を占めており、スモールスタートの案件も多い。2017年度はこうした案件での拡大が見込まれる。また、VDI基盤としての導入では、大規模案件も獲得している。今後はTIS、CTC、日商エレクトロニクス、丸紅情報システムズ、ユニアデックスといったパートナーとの連携によって、HXシリーズの販売にさらに弾みをつけたい」とする。

ラック上部にはインクジェットプリンタやレーザー印刷でロゴマークなどを貼付するサービスも用意している

特に、2017年度は中堅・中小企業に対する展開を強化する考えだ。「HX2000シリーズは国内で唯一、Nitanixが提供するXpressに対応した製品であり、しかも100V電源にも対応している。中堅・中小企業には最適な製品であり、他社にはないHCI。2017年度は積極的な販売拡大に取り組む」と意欲を見せる。

さらに、SDSについてもラインアップの強化を図ることで、市場での存在感を高める考えだ。先ごろ発売したデータコアとの協業によるDX8200Dの投入によって、これまでのクラウディアンによるDX8200C、Nexenta SystemsによるDX8200Nとともにラインアップを拡充。加えて、2017年度第2四半期(7~9月)には、ThinkAgileという新たなブランドのSDSを投入する予定だ。

こうした積極的な販売拡大施策の取り組みにより、米沢ファクトリー・インテグレーション・センターの体制も拡張することになる。

「米沢ファクトリー・インテグレーション・センターは、2016年10月から本格的に稼働しており、2016年度下期には200台のHCIを出荷した。HX2000シリーズの販売強化などにより、HCIの出荷台数はますます増加することになる。それに合わせて、米沢ファクトリー・インテグレーション・センターの体制も強化し、2017年度第4四半期(2018年1~3月)には、現在の3倍となる月100台体制へと拡張。2018年度には、年間1200台のHCIの出荷を目指す」と意気込む。さらに、これまで2~3週間かかっていた納期も、今年度中には7~8営業日で納入できる体制を目指すという。

HCIの事業拡大において、米沢ファクトリー・インテグレーション・センターの拡張は避けては通れないというわけだ。