子どもとのお出掛け先として活用したい博物館。自然科学や歴史などをテーマにした物もあるが、小さい子どもでも楽しめる施設を探すのは難しいことが多いかもしれない。そこでオススメしたいのが、東武鉄道が運営する「東武博物館」。12両にも及ぶ実物車両に加え、鉄道のジオラマや運転体験、SLショーなど、体験型の展示が充実している。その魅力的な内容を、早速紹介しよう。
蒸気機関車が走る様子を見学できる! 大興奮の「SLショー」
見て、触れて、遊びながら、鉄道やバスについて学ぶことができる東武博物館。東武鉄道の歴史や文化・役割が、8つのコーナーにわたり紹介されている。大人(高校生以上)は税込200円、子ども(4歳~中学生)は税込100円とお財布に優しい入館料で、館内のほとんどの展示を楽しめるほか、東武スカイツリーラインの東向島駅を下車して、すぐ隣にある施設なので、雨の日でも濡れずに訪れることが可能。子ども連れには、うれしい料金・立地となっている。
同館の見所は、何と言っても現役当時そのままに保存されている12の実物車両。車両によっては車内に入り、客室や運転台を見学することもできる。
中でも圧巻なのは、同社の開業(1899年)にあわせ、イギリスから購入したという蒸気機関車。1日に4回実施される「SLショー」(11時~、13時40分~、14時40分~、16時~)では、機関士が運転台に乗車し、汽笛を鳴らして車輪を回転させてくれる。車体は動かないものの、蒸気機関車の走る様子は迫力満点! 大興奮間違いなしだ。
また、東向島駅のホーム下に設けられている「ウォッチングプロムナード」というコーナーでは、電車の車輪や線路などを間近で観察することが可能。歴史ある電車も、現役の電車も、さまざまな角度から眺められるのは、同館の醍醐味だろう。
本物の運転台で運転体験を! 模型電車もバスも
そして、子ども連れにとって最大のお楽しみが、豊富に用意されている電車のシミュレーションだ。実際の運転台を使った東武鉄道のシミュレーションは3つ(1つは2017年4月時点で故障中)。運転台から見える東武沿線上の風景が、目の前の画面に映し出され、電車の運転体験をすることができる。
50050系車両のシミュレーションでは、レバーを下げると速度が上がり、上げると速度が下がるハンドルが付いているので、運転台の横に張り出されている速度制限に注意して、操作してみよう。ブレーキをうまくきかせて、停車駅で安全に電車をとめるなど、シミュレーションでの操作は本物さながら。思う存分運転士の気分を味わってほしい。
操作方法が分からなくても、館内のスタッフに尋ねれば丁寧にその方法を教えてくれる。小さな子どもをひざにのせて、一緒に運転体験することも可能だ。
他にも、「安全に走るシステム」のコーナーでは、自らの運転で、実物の45分の1の大きさで作られた模型電車を走らせることができる。頭上のモニターで、模型電車の運転台から見える風景が映し出されるので、臨場感も満点だ。
車好きの子どもには、実際の運転席に座って、画面を見ながらハンドル操作ができる「バスのシミュレーション」も用意されているので、チェックしてみよう。
大人も見入ってしまう、大迫力のパノラマショー
さらに見逃せないのが、1日に5回行われる「パノラマショー」(10時半~、11時25分~、13時15分~、14時15分~、15時半~)だ。関東平野をイメージした横14m、奥行き7mの大パノラマの中で、約170両の模型電車が走り、電車の始発から終電まで、1日の沿線の風景が約13分にわたって再現される。街の中には、忠実に再現されたスカイツリーの模型もある。
ショーが行われていない時間は、模型の電車を自ら操作することも可能なので、1日いても飽きないだろう(1回100円)。
子連れへの配慮が満点の博物館!
子ども用トイレや授乳室、外部からお弁当やお菓子を持ち込んで一休みすることができる休憩コーナーまで、子連れへの配慮が行き届いている同博物館。取材日当日も、幼児から高校生まで、幅広い年代の来館者が、思い思いに見学を楽しんでいた。
時代ごとの車両の移り変わりや、電車が走る仕組みなど、じっくり学べる興味深い展示も豊富なので、小学生以上であれば、自由研究で活用するのも便利そう。子どもの年代や興味に応じた楽しみ方を探してみてはいかがだろうか。
●information
東武博物館
所在地: 東京都墨田区東向島4-28-16
開館時間: 10時~16時半(入館は16時まで)
定休日: 毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料: 大人(高校生以上)200円、子ども(4歳から中学生まで)100円
アクセス: 東武スカイツリーライン東向島駅下車(駅の隣)
※記事中の情報・価格は2017年4月取材時のもの