京都鉄道博物館は29日、グランドオープン1周年記念セレモニーを開催した。「地域と歩む鉄道文化拠点」をコンセプトに、昨年4月29日にグランドオープンして以降、人気を博し、今年4月28日の時点で来場者数は約150万人となった。セレモニーでは京都鉄道博物館の目玉のひとつ「SLスチーム号」の1周年ロゴヘッドマークが除幕された。
セレモニーには京都鉄道博物館館長の三浦英之氏、梅小路運転区区長の前川拓也氏、京都鉄道博物館のスタッフと京都鉄道博物館の公式キャラクター「ウメテツ」が参加した。三浦氏は挨拶の中で、1年目の来場者数が目標を上回ったことに感謝を示すとともに、2年目は博物館としての真価が問われると強調。スタッフのおもてなしのレベルアップ、イベントを通じた情報発信、地域や学校とのさらなる連携に取り組む姿勢を示した。
挨拶の後、三浦氏と前川氏により、ヘッドマークの除幕が行われた。ロゴヘッドマークはさまざまな車両のイラストを組み合わせて「1」を表現。ポップで華やかなヘッドマークとなった。ロゴヘッドマークは6月末まで取り付けられる。
セレモニーの後、早速ロゴヘッドマークが「SLスチーム号」に取り付けられた。この日の蒸気機関車は、1914(大正3)年に日本で最初の量産型旅客用蒸気機関車として登場した8620形8630機。登場から100年経った現在も「SLスチーム号」などで元気に活躍している。セレモニー当日はゴールデンウィーク初日ということもあり、多くの来場者がセレモニーを観覧し、ロゴヘッドマークを付けた8620形8630機を思い思いに撮影していた。
また、本館2階企画展示室では京都駅開業140周年に合わせ、「洛中洛外鉄道絵巻 ~京の都の鉄道史~」が7月11日まで行われている。この企画展では京都駅の歴史だけでなく、JR(国鉄)からケーブルカーまで、京都の交通があらゆる角度から解説されている。
多くの展示物の中で目を引いたのが、⼤正時代に建てられた2代目京都駅の御便殿(皇室⽤貴賓室)にあったシャンデリアと3代目京都駅の皇室用貴賓室にあった屏風・椅⼦であった。どちらも保存状態が良く、往時の雰囲気を現代に伝えている。JRや私鉄の混じって京都市電の写真と看板も展示されていた。京都市電を知る世代にとっては、懐かしい気分に浸れるのではないだろうか。
この他にも、京都鉄道博物館ではグランドオープン1周年に合わせてさまざまなイベントを開催する。グランドオープン1周年記念イベントは5月14日まで開催される予定。詳細は京都鉄道博物館サイトなどで紹介されている。