ダイキン工業はこのほど、全国300人のエアコンユーザーを対象に正しい試運転方法の理解度をはかる調査「エアコン スイッチオンテスト」を実施し、結果を公表した。同調査は4月5日~6日、全国の「エアコンを使用する」という20代以上の男女300人を対象に、インターネット調査(ネオマーケティング調べ)にて実施。全11問の選択式テストで、理解度テストのほか、エアコンの試運転や点検・修理に関するアンケートも実施した。
テスト問題は、「エアコン点検・修理の問い合わせが最も増える7月は5月の何倍?」「エアコン試運転の際の温度設定で正しいのは?」「エアコン試運転の時間の目安は?」「エアコンの使用で節電に必要なこと?」など。全体の正解率は47.7%という結果となった。
同社では、専門家からの「エアコンの試運転は"冷媒ガスの循環"と"結露水の発生"までしっかりと」とのアドバイス以下の通り紹介している。
「7月に問い合わせが増えるのは、シーズンに入って暑くなってから初めて運転される方が多数であるからと思われます。オフシーズンのうちに試運転を行って、本格シーズンに備えるといった習慣を、ぜひおすすめしたいと思います。エアコンの試運転は、室内機の運転確認のみでなく、室外機の圧縮機が運転するかまで確認しなければ、試運転を行ったとは言えません。エアコン内部には、熱を吸収する冷媒ガス(体でいう血液)が流れており、この冷媒を圧縮機(体でいう心臓)が循環をさせていますが、この冷媒ガスが、内部の循環回路を一巡しないと、運転したことにはならないからです。また、室内機の水漏れなどの不具合発見に至るまでには、この冷媒ガスの循環が安定し、室内機内部に結露水(体でいう汗)が発生するまでに、30分程度の運転が必要です。室外への排水管から水が出てくるかを目安にしてください」。
エアコンの試運転チェックの経験は「経験あり」が30%、「経験なし」が70%と、試運転経験が7割もないという結果となった。試運転をしたことがない人にその理由を聞いたところ、1位「やり方がわからないから」(37.1%)、2位「必要がないと思うから」(24.8%)、3位「まだ新しいから」(18.1%)となり、その方法や必要性への理解が低いことが原因となっている様子がうかがわれる。
エアコンの点検や修理の依頼経験は、25.3%が経験ありと回答。依頼経験がある人に、エアコンが壊れたり、おかしいと感じたタイミングを聞くと、81.6%が「夏になって冷房を使いはじめて」と回答した。「毎日使っているうちに」(11.8%)、「冬になって暖房を使いはじめて」(6.6%)と続くが、大多数が夏になって冷房を使用した時にエアコンの不調に気づいている。
これについて専門家は、「故障を減らすためにも、外気温が低い時期に試運転するのをおすすめ」とアドバイス。具体的な方法として、「少し気温の高い日に、冷房モードにして、温度を最低温度に設定するだけです。夏本番をむかえる前の外気温度が比較的低い時期の冷房運転は、製品にもやさしく、この時期での試運転を特におすすめしています」と紹介している。
エアコンの点検・修理依頼経験者にその具体的内容を聞いた。1位は「冷風が出なくなった」で40.8%、2位「水漏れするようになった」(18.4%)、3位「電源は入るが動かなくなった」(11.8%)、4位「異音がするようになった」(9.2%)と続き、5位は同率6.6%で「電源が入らなくなった」「運転直後にすぐ止まるようになった」「時々運転が止まるようになった」「温風が出なくなった」という結果に。夏になって冷房を使いはじめてからエアコンの不調に気づくことからも、エアコンの冷房機能に関する点検や修理が多いことがわかる。
点検修理を依頼した際に困ったことは、「修理の人が来るまでに時間がかかった」(27.6%)、「来てもらう日の調整に困った」(26.3%)、「その日に直らなくて使用できなかった」(21.1%)と、その多くが修理の日程調整や修理までの待ち時間に関することが挙げられている。
自由回答で具体的に困ったことを聞いてみると、「暑い盛りのため訪問にすぐにきてもらえない」(58歳男性)、「土日の予約がとりにくい」(40歳女性)、「自分の都合と業者のスケジュールをあわせることが難しかった」(63歳男性)といった悩ましい声が寄せられた。夏の時期は点検修理が混み合うため、早めのエアコン試運転チェックをすることの重要性が感じられる結果となった。