日本エアコミューター(JAC)は4月26日、ATR42-600初号機の運航を開始した。初便となるJAC3741便は8時50分に鹿児島を出発し、40分間のフライトを経て屋久島へ到着。同機はその後、屋久島・鹿児島便、鹿児島・沖永良部、沖永良部・鹿児島にて運航した。

日本エアコミューターのATR42-600初号機

JACは昭和58(1983)年に設立されたJALグループ企業であり、JALが同社株式の60%を、そして残りの株式を鹿児島県奄美群島12市町村が共同で保有している。鹿児島空港を拠点とするJACは19機体制で、1日97便23路線で運航しており、年間160万人が利用する西日本と美しい奄美諸島間をつなぐ欠かせない航空交通手段となっている。

2018年のユネスコ世界自然遺産登録に向けた公式申請に先駆け、奄美諸島は2017年3月、国立公園に指定された。世界自然遺産への申請が無事承認された場合、すでに高い人気を誇る屋久島とあわせて、観光の一層の活性化が期待される。JACはこれら自然遺産の登録申請を行っている全ての島々へ、ATR機就航を予定している。

外装デザインは、奄美群島を中心とした鹿児島の島々と各地をつなぐJACをイメージ

ATR42-600は旅客ひとり当たり、および運航1km当たりのエネルギー消費が世界で最も少ない旅客機。ATRは民間航空が環境に与える影響を緩和するために、継続的に高い環境条件を満たす機体の改良に注力している。JACは現在フリート刷新を進めており、9機の新たなATR機が今後段階的に、主要路線、諸島および地域間の空港へと運航を開始する。

9機の新たなATR機が、今後段階的に運航を開始する

ATRは1981年に設立された、座席数90以下のリージョナル航空機マーケットにおける大手航空機メーカーで、設立以来1,500機以上を納入している。ATR機は世界約100カ国、200以上の航空会社に採用され、2,800万回以上の飛行実績を有している。ATRはエアバス・グループとレオナルドという欧州航空業界大手2社が共同パートナーシップを結んだ事業体で、フランスのトゥールーズに本拠地を構えている。