賃貸用にお部屋を探している時の大切な情報の一つが、賃貸情報サイトの物件写真です。たくさんの候補の中から好みの部屋を探す判断材料として、また場合によっては現地に行かずしてその部屋の様子をチェックできる内見の代わりとしても役立つ物件写真や映像。では、そういった写真をチェックする際、どのようなポイントに気をつけて見たらいいのでしょうか。不動産・住生活ライターの高田七穂先生に聞きました。
Q.検索サイトで部屋の写真が掲載されているけど、どんな点を見たらいい?
A.ポイントを絞ってみる
事前に物件写真を沢山公開する例が増えています。漫然と見るのではなく、ポイントを絞ってみていきましょう。条件に合わない点があれば無駄な内覧をしないで絞りこむができるので、時間の短縮にもつながります。また、気になる点があれば書き留めておき、現地でチェックするのがよいでしょう。
スペース
室内写真を撮影する際は、「広角レンズ」を用いることが少なくありません。これは、実際より広めに映ります。「広い!」と思っても、実際は、それほどでもないことがあります。写真に惑わされないように、全体を大まかにとらえましょう。
設備
エアコンやガスコンロ、照明など、ついている設備はどのようなものでしょうか。どんな設備があるかは、物件情報でわかります。けれども、タイプや型式は事前にはわかりません。エアコンがあっても見た目に古く、10年以上前のものかもしれません。この場合、音が大きかったり、電気代がかかったりする可能性があります。また、照明がついていても、趣味に合わないかもしれません。キッチンの水栓がレバー式かハンドル式か、お風呂が沸かし直しできるタイプでもどのようなタイプなのか、なども確認しておきます。現地でさらに細かくチェックしましょう。
コンセント
写真に映り込んでいれば、間取りと照らし合わせて位置を把握しておきましょう。事前に図面に書き込んでおくと、手元の家具を置くイメージがつきやすくなります。なかには家具で隠れてしまう位置にコンセントがある場合もあります。
収納
収納があっても、内部の仕切りは取り外しができないタイプではないでしょうか。そうなると、収納しにくいものがあるかもしれません。たとえば、シューズクローゼットの仕切りはどうなっているでしょうか。お気にいりのブーツを立てて収納するようなスペースはあるでしょうか。クローゼットの内部などを見ることができる場合はチェックしましょう。
外観や周囲
室内だけでなく、外観や建物周囲の写真が掲載されていればチェックしておきます。たとえば、エントランスのイメージや外からどのように部屋が見えるのかなどもつかんでおきます。また、自転車置き場が必要な人は、乱雑に並んでいないかなど様子をチェックしておきましょう。
高田七穂(たかだ なお):不動産・住生活ライター。住まいの選び方や管理、リフォームなどを専門に執筆。モットーは「住む側や消費者の視点」。書籍に『絶対にだまされない マンションの買い方』(共著)『マンションは消費税増税前に絶対買うべし!?』(いずれもエクスナレッジ)など。「夕刊フジ」にて『住まいの処方銭』連載中