新入社員は入社して、すぐ電話を受けることを任されることが多いかもしれない。最初のうちは、対応に戸惑った経験のある人もいるのではないだろうか。今回は敬語コミュニケーション講師の山岸弘子さんに基本的な電話対応時の言葉遣いや気をつけた方が良い点などを伺った。
電話を受けるとき
電話に出るときは、「はい。●●社でございます」と社名を名乗ります。最近の日本のビジネスマナーでは、「もしもし」を使わない傾向にあります。社名を名乗る際は、一本調子ではなく、ふんわりとした山型になるように言うと良いでしょう。「はい」と言うときは、母音の「a」を意識して言うと感じの良い発音になります。また、社名はゆっくり、はっきりと伝えると聞き手は安心します。
用件を受けるとき
用件は相手から伝えられる場合が多いかと思いますが、用件を聞く場合は「ご用件を承ります」と言います。その際、詰問調になってしまわないように、できるだけ優しい言い方を心掛けてみましょう。
正しいあいづちは?
あいづちを打つときは、基本的に「かしこまりました」「承知いたしました」。また、相手を長く待たせてしまう際に「少々お待ちください」と伝えるのは配慮が足りないと思われるかもしれません。「少々お待ちいただけますか」というように、相手の意向を尋ねてみましょう。
電話中の言葉遣い
■聞き取りにくいとき
基本的には「電話が遠いようでございます」と伝えましょう。「もう一度お願いできますか」「大きな声で話してください」という言い方は、良い印象を与えません。
■自分で判断できないことを聞かれたとき
「わかりかねます」
■電話を掛け直すとき
「後ほどかけ直させていただきます」
■伝言を頼まれたとき
電話があった旨あるいは伝言を「○○に申し伝えます」
■先方のメールや電話番号を聞いて確認をするとき
「復唱いたします」
■電話を切るとき
「失礼いたします」
■離席・外出のとき
「席を外しております」
間違い電話のとき
先方が間違えて電話をかけてきた場合は、「こちらは000-0000(電話番号)の●●社(社名)でございます」と伝えます。それでも相手が気付かない場合は、「お掛け間違いではないでしょうか」と伝えてみましょう。
電話の伝言・メモのポイントは?
電話があった旨あるいは伝言を「○○に申し伝えます」と先方に伝えましょう。
また、社内の人に対して伝言やメモを残すときは
・5W3H
・日付、何時何分に電話をもらったのか
・折り返し電話する必要があるのかどうか
・伝言があった場合は、その内容
以上の4点を意識して残しておくと良いと思います。
※画像と本文は関係ありません
監修プロフィール:山岸弘子
敬語コミュニケーション講師
NHK学園で講師を務め、NHK「視点論点」にて敬語の解説を担当。
国内最大手航空会社社内教育、教師研修などに携わる。
著書に『あたりまえだけどなかなかできない敬語のルール』『臨床現場で求められるコミュニケーションのヒント』などがある。