帝国データバンクは4月20日、「人材確保に関する企業の意識調査」の結果を発表した。調査は2月15日~28日、全国2万3,804社を対象にインターネットで行われ、1万82社から有効回答を得た。このうち、大企業が2,126社、中小企業が7,956社(小規模企業が2,507社)。
人材確保への取り組み
「より良い人材を採用するために、2016年4月以降で新たに取り組み始めたことがあるか」を聞いたところ、72.2%の企業が何らかの取り組みを「実施している」と回答。「何もしていない」企業は26.2%にとどまった。
また、規模別にみると、大企業では82.3%が取り組みを実施していた。中小企業では69.5%、このうち小規模企業は59.7%という結果に。規模が小さくなるほど「取り組みを実施している」企業の割合は低く、企業規模によって取り組み方に違いがあることがわかった。
前質で「新たに取り組みを始めた」と回答した企業7,281社を対象に、取り組み内容を聞いたところ、「賃金体系の見直し」(46.6%)が最も多く、半数近くを占めた。以降、「就業制度の充実」(23.5%)、「採用情報の発信」(21.3%)、「福利厚生制度の充実」(20.9%)、「自社採用ホームページの公開、リニューアル」(20.8%)と続いた。
企業が求める人材像
次に、「どのような人材を求めているか」を聞くと、「意欲的である」を選択した企業が49.0%と最も多かった。以降、「コミュニケーション能力が高い」(38.6%)、「素直である」(32.2%)、「真面目、または誠実な人柄である」(20.3%)、「明るい性格である」(19.1%)と続いた。
企業規模、業界別、地域別の傾向を見ると、「意欲的である」については、いずれにおいてもほとんど差がなかったが、「コミュニケーション能力が高い」は大企業で44.9%、中小企業が37.0%、小規模企業が32.4%と、規模が小さくなるにつれて低くなった。
一方、「素直である」はその逆で、大企業が27.1%、中小企業は33.5%、小規模企業が35.5%と、規模が小さくなるにつれて高くなる傾向に。社内だけでも多数の部署があり、その間の交渉や調整が必要な大企業においては「コミュニケーション能力」が、経営者との距離が近くトップダウンも多い中小企業では「素直さ」が求められていることが伺える結果となった。