東急電鉄は4月21日、東京都渋谷区における宿泊施設の拡充と街の魅力向上を目的に、徳島県と連携し、日本初の宿泊機能を有するアンテナショップ「Turn Table(ターンテーブル)」を渋谷に新設する。同施設は2017年度中の開業を予定している。
同施設は東急線・JR線他渋谷駅から徒歩10分に位置し、東急電鉄が取得した築21年のビルを徳島県に一棟全て賃貸した後、徳島県などが運営する宿泊施設、レストラン、マルシェを備えた複合型集客施設にリノベーションするもの。宿泊施設は最大68人が宿泊でき、完全個室と相部屋の両タイプを備える。
2020年の東京五輪に向け、ますます増加が予想される訪日外国人や日本各地から渋谷を訪れる人の、廉価な価格で宿泊したいというニーズに応えるため、相部屋の宿泊価格は1泊1万円以下となる予定。宿泊施設の内装に徳島県産木材を使用するほか、施設利用者の相互交流空間ともなるレストランでは、徳島県産食材を使用した料理を提供するなど、施設に滞在することで徳島県のさまざまな魅力を体験できる仕掛けを施す。
渋谷にはICTやクリエイティブ産業が高密度で集積し、今日では情報感度の高い人たちが集まる街にもなっている。東急電鉄によると、同施設の周辺には隠れ家的な飲食店が多く、クリエイターやインフルエンサーたちからも注目されているエリアとして、同施設の新設に至ったという。今後は同施設でのイベント開催を通じて、情報感度と発信力の高いインフルエンサーによる、徳島県の情報拡散を目指すとしている。
今回の取り組みは、東急電鉄が現中期3か年経営計画において推進している「不動産賃貸事業の更なる拡充」の一環となる。また東急グループは、渋谷駅周辺の大規模開発において、4月28日開業の「渋谷キャスト」でサービスアパートメントを設けるほか、2018年秋開業予定の「渋谷ストリーム」「渋谷代官山Rプロジェクト」でもホテルを設けるなど、宿泊機能を順次整備している。
ターンテーブルの所在地は東京都渋谷区神泉町10-3で、アクセスは東横線・田園都市線・JR・東京メトロ線「渋谷」駅より徒歩約10分、または、京王井の頭線「神泉」駅より徒歩3分。敷地面積は357.23平方メートル(108.06坪)、建物面積は864.22平方メートル(261.42坪)。鉄骨造陸屋根5階建の建物の中に、ホテルやレストラン、店舗を設ける。