女性といえども、普段から他人が顔を洗うところやスキンケアをするシーンを見る機会は、そんなに多くないだろう。本稿では、メイクアップやスキンケア、ヘアケアなどに精通するライター・近内明子氏が、温泉で見かけた「NG洗顔法」について紹介する。
こするようなクレンジングはNG
メイクオフ時にクレンジング剤を肌にのばし、クルクルと肌になじませる。ここまでは普通だが、いつまで経ってもずっとクルクルする人がいるという。その間、ファンデーションやアイシャドウと混ざったオイルをいつまでも顔にのせたまま。しかも、落とすときにやたらとこする人も。
「そんなにこすったら肌に負担になってしまいます。クレンジングオイルやクリームはメイクや汚れとなじんだら速やかに拭き取るか、洗い流していいのです」と近内氏は話す。
シャワーで一気に洗い流しはNG
クレンジングをシャワーブースで行っている人を見かけたという近内氏。簡単に洗い流せるため、自宅のお風呂でもやっている人も多いのではないだろうか。ササッとなじませただけで、シャワーで一気に洗い流せるものの、アイメイクや小鼻の周りなど細かい部分まで洗えているだろうか? また、洗い流すお湯の温度は適温だろうか?
「シャワーの温度はボディ用に設定している場合、顔に直接使うには湯温が高すぎます。シャワーで洗い流す場合は湯の温度を36度くらいに設定し、弱めの水圧で優しく洗い流すようにしましょう」
洗顔フォームを顔の上で泡立てるのはNG
近内氏は「洗顔フォームや洗顔石けんは、手のひらでたっぷり&もっちり泡立てた後、その泡で顔を包み込むように洗いましょう」というフレーズを、これまで美容ページで幾度となく書いてきた。それゆえ、既に「洗顔の常識」になっていると思っていたそうだが、この「常識」から逸脱した行為をしている女性をまだ見かけるとのこと。すなわち、ほとんど泡立てず、顔に塗りつけて顔の上で泡立てている女性だ。
「きめ細かい泡をたっぷりと立てて肌にのせるときの気持ち良さは格別ですし、たっぷりの泡が手と肌との間でクッションとなって、余分な力が入るのを防いで自然と優しく洗えるのです」
ガシガシこすってアイラインを落とすのはNG
クレンジングが簡単だからと、お湯で落とせるマスカラやアイライナーを使っている人も多いことだろう。だが、目の周りを「ゴシゴシ」を通り越して「ガシガシ」とこすっている人もいるのだとか。
「素早く落とそうと湯温を上げている人もいます。デリケートな目の周りには刺激が強すぎるし、これではまつ毛も抜けてしまいそう。マスカラオフは体温よりやや低めのぬるま湯で、ふやかすようにして落とすのが鉄則です」と近内氏は解説する。
タオルで必要以上に顔をこするのはNG
近内氏は洗顔後にも気になった点があると話す。それは、顔の水分を拭き取るのに、タオルでこするようにしている点だ。
「お風呂あがりに速やかに水分を拭き取ることは、肌の乾燥を防ぐために大切ですが、タオルでポンポンと押さえるようにするだけで十分です。こすることでタオルと肌との摩擦が起きて肌を傷めてしまいます」
洗顔は多くの女性が毎日する行為。それだけに、ちょっとした「誤った習慣」が老け肌を加速させてしまう原因となりうる。何事も基本が大切だということだろう。