三菱電機は4月20日、2017年春に発売される生活家電の新製品を用いた、家事のあり方を提案するワークショップを開催した。同社が紹介した調査によると、家事の中でも嫌いなものとして挙げられるトップは「食事の後片付け」。以降、掃除、料理、洗濯と続く。まずは2番目の掃除から紹介していこう。
掃除機のトレンドと使い方のコツ
掃除(掃除機)が嫌われる理由としては、「収納場所からの持ち出し」、「電源プラグの抜き差し」、「本体の引き回し」、「収納」といった要素が挙がっている。このような実態に対して、三菱電機は「自分の生活スタイルに合った掃除機を選ぶ」ことが重要だと説く。
掃除機といっても、キャニスター型やコードレススティックタイプ、布団専用タイプ、ロボット型など複数のタイプがある。ゴミの集積方法も、紙パック式とサイクロン式があるなど多様化してきており、それぞれに一長一短がある中、特に重要なのは「ゴミを吸い込む力とかき出す力のバランス」だとした。
一般に、掃除機がゴミを吸い取る力は「吸込仕事率(W)」で表される。計算式は「真空度(Pa)×風量(m3/分)×0.01666」だ。しかし、これは「ブラシを付けない状態で測定しているので、ゴミ取り性能ではない」(三菱電機)。また、高い吸込仕事率を実現するためには大きなモーターが必要となり、本体が重くなる傾向があるとし、「吸込仕事率とブラシ性能のバランスが重要」(三菱電機)とも。
2008年までは吸込仕事率を追求していた三菱電機だが、以降は使いやすさに配慮し、キャニスター型掃除機「Be-K」を発売。吸込仕事率の業界トレンドが当時600W以上であった中、550Wに抑えながら、クラス最軽量の2.9kgという本体重量を実現した。
さて、三菱電機が2017年5月に発売する「TC-GXG8P」は、Be-Kシリーズの最新モデルだ。本体重量は2.1kgで、パイプやホース・ブラシも含めた総重量では、業界最軽量となるキャニスタータイプの掃除機となる。
三菱電機の紙パック式キャニスター掃除機「Be-K」シリーズ。今春発売の新製品は本体重量2.1kgのシリーズ史上最軽量を実現 |
吸込仕事率と吸引力の実演デモ。左側のじゅうたんは吸込仕事率650Wの掃除機、右側はBe-Kの新製品で吸引後。スペック上100W低いBe-Kだが、見た目上、ゴミの除去状態にそれほど違いはなく思えた |
ワークショップに出席した、家事代行業・ベアーズの副社長を務め、家事研究家として活動する高橋ゆき氏は、「掃除機をかける基本は、本体を手で持って身体に添わせること。そうすることで、掃除機を壁や家具に当てずスムーズに動かせて、掃除にかかる労力も減らせる」とし、軽量コンパクトな新製品を評価した。
家事代行業・ベアーズの副社長で、家事研究家として活動する高橋ゆき氏。執筆活動やテレビ番組への出演の他、2016年に放映されたテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』では家事監修を務めたことでも知られる |
本体重量2.1kgの「Be-K」は、片手で楽に持ち上げられ、階段等の掃除に最適。「階段は上から下に降りながら掃除するのがポイント」と高橋氏 |
高橋氏は「ちょこ掃」を推奨。めんどうな掃除機がけは毎日少しずつ行うことで、室内を無理なくキレイな状態に保てるという理屈だ。サッと取り出すことができ、短い時間でも機動的に使えるコードレススティック型掃除機との併用をアドバイスした。
高橋氏が推奨する掃除機のかけ方の基本 |
Be-Kシリーズの最上位モデル「TC-GXG10P」には、引き抜くだけでメンテナンスができる回転ブラシを採用。ゴミ取り性能の低下の一因であるブラシに絡まった毛を除去しやすい |