フジテレビ系の夕方ニュース番組『みんなのニュース』(毎週月~金曜16:50~19:00)の視聴率が、大地震の被災地で好調に推移している。特に熊本では、月間平均視聴率の民放横並びトップを、昨年9月から今年3月まで7カ月連続で獲得中だ。

『みんなのニュース』キャスター(左から 永尾亜子アナ、椿原慶子アナ、伊藤利尋アナ、生野陽子アナ、内田嶺衣奈アナ)

テレビ熊本は『TKUみんなのニュース』として放送し、2016年度(16年4月~17年3月)は、1部(16:50~17:53)が前年度比+1.2ポイントの8.5%、2部(17:53~19:00)が+1.4ポイントの10.9%となり、民放横並びトップを獲得。昨年12月13日には1部で13.2%、同7日には2部で15.8%と、自己最高記録を更新した。

全国ネット部分のメインキャスターを務めるフジテレビの伊藤利尋アナウンサーは、昨年4月に発生した熊本地震発生直後から、被災地に計2週間滞在して番組を放送。地震から1年を迎え、今年4月13日・14日も熊本に入り、被災地の現状を伝えた。木村拓也アナウンサーが人力車を引きながら天気を伝えるコーナー「上を向いて歩こう!」も、4月10日から1週間、熊本から中継した。

そして、熊本ローカル部分では、地震関連のニュースや特集企画を欠かさず放送。エンディングでは、阪神・淡路大震災時に生まれ、東日本大震災に歌い継がれた歌「しあわせ運べるように」を熊本の子供たちが歌うバージョンをバックに、その日の復興関連のニュース映像を振り返っている。

テレビ熊本では、同番組について「被災者に寄りそった番組を心がけている」としており、こうした地域に根づいた編集方針が、視聴者の支持を集めているようだ。

テレビ熊本『TKUみんなのニュース』

福島テレビ『FTVみんなのニュース』

また、東日本大震災の被災地である福島テレビ(FTV)では『FTVみんなのニュース』として放送しているが、2部の視聴率が、4月11日に12.1%、翌12日に11.3%と、2日連続で民放横並びトップを獲得。この4月10日週(10~14日)は、福島中央テレビ(FCT、日本テレビ系列)を抜き、週間平均も10.0%で首位に立った。

16年度の平均は、FTV8.9%に対してFCT9.8%と、1ポイント近い差を付けられていたが、今年に入ってから4月14日までの15週平均では、FTV9.4%・FCT9.8%と、ジリジリ迫っている状況。同番組の公式ツイッターでは「スタッフ、キャスター総力を結集して心をこめて番組に向き合っている成果だと思います」と好調を分析しており、4月月間平均トップも視野に入ってきた。

なお、キー局のフジテレビでは、4月から18時台の特集コーナーを、身近な疑問を解消していく「クリア」にリニューアル。準キー局のカンテレも『みんなのニュース 報道ランナー』に改題し、メインキャスターに夕方ニュース在阪局最年少となる新実彰平アナを起用するなど、ゴールデンタイムにつなげる重要な時間帯だけに、系列各局でブラッシュアップを図っている。

視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ。