情報通信総合研究所は4月18日、「フィンテックサービスの利用動向調査」の結果を発表した。地域分類を政令指定都市(都市部)とそれ以外の市区町村(地方部)に分けてサンプルを抽出。調査期間は2016年11月18日~21日、有効回答は10代以上の個人1,052人。

地方部での利用割合が高いのは「ネット決済」

フィンテックサービスの認知状況を調べたところ、「パソコンバンキング」(都市部94.5%、地方部94.2%)と「モバイルバンキング」(同85.4%、同83.2%)の認知度が高く、全体的に都市部と地方部で大きな差はみられなかった。

フィンテックサービスの認知状況(出典:情報通信総合研究所Webサイト)

利用状況については、「パソコンバンキング」(同65.7%、同63.3%)が最も高かった一方、「モバイルバンキング」(同24.9%、同20.2%)は認知度の高さに比べて低いことが判明。地方部では「インターネット決済サービス」(同30.4%、同32.7%)の利用割合が都市部より高く、同研究所は「ECショップ側にも『インターネット決済サービス』を利用したい消費者の決済ニーズに対応していることが背景にある」と分析している。

フィンテックサービスの利用状況(出典:情報通信総合研究所Webサイト)

未利用者に今後の利用意向を聞くと、地方部で「パソコンバンキング」(同26.4%、同32.6%)と「モバイルバンキング」(同28.9%、同34.6%)の利用意向が高かった。同協会は「保有口座の銀行本支店やATMが近場にないために、ネットバンキングの利用意向が高いのではないか」と推測している。

利用しない理由を質問すると、全てのフィンテックサービスにおいて「セキュリティへの不安(情報漏えいや詐欺等)」(4割弱~5割超)が最も高いことがわかった。