米Facebookは4月18日 (現地時間)、開発者カンファレンスF8 (4月18日~19日)で「Camera Effects Platform」を発表した。同社はOculus VRを買収してからVR (仮想現実)の成長を後押ししてきたが、初日の基調講演においてCEOのMark Zuckerberg氏が、VRとAR (拡張現実)が同一歩調で将来のコンピューティングプラットフォームを形成するというビジョンを示した。Camera Effects Platformは、FacebookのAR戦略の第一歩であり、Electronic Arts、GIPHY、Manchester United、Nike、Real Madrid、TripIt、Warner Brosなどがローンチパートナーになっている。
Facebookは今年3月に、FacebookアプリのFacebookカメラに「カメラエフェクト」機能を追加した。Camera Effects Platformは、外部のデザイナーやクリエイターがカメラエフェクト用のフィルターやマスクなどを作成して提供できるようにする。そのためのツールとして「Frame Studio」と「AR Studio」を発表した。
Frame Studioは、Facebookカメラやプロフィール写真を縁取るフレームを簡単に作成できるWebベースのツールだ。18日に提供開始になり、プロフィールまたはページを持っているユーザーなら誰でも利用できる。表現のためのツールとして成長するようにガイドラインが設定されており、個性をアピールすることはできるが、ロゴや商標などの使用は禁止されている。
AR Studioは、Facebookライブにおいて起こっていることにリアルタイムで反応して動くカスタムエフェクトをデザインできる。例えば、動いている人に吹き出しを追尾させたり、イラストのカツラをかぶって動き回るといったことが可能になる。開発者や3Dアーティスト、組織などを対象にしたツールとして、現段階では限定ベータプログラムを通じた提供になっており、以下のような機能を含む。
- Face Tracker:顔をトラッキングするリアルタイムのコンピュータビジョン・アルゴリズム。顔の動きや表情に反応するマスクを作成できる。
- Sensor data:スマートフォンを持ったユーザーが、スマートフォンを通じて拡張された世界を体験するエフェクトを実現する。
- Scripting API:リアルタイムでユーザーの動きに反応し、エフェクトを修正するためのデータのやり取り。