リサーチ・アンド・ディベロプメントはこのほど、20~79歳の首都圏在住の一般生活者における禁煙意識についての分析結果を明らかにした。これは同社の独自調査「生活者総合ライフスタイル調査システム CORE」を用いて実施したもの。
今回は、2016年10月に、住宅地図を用いたエリアサンプリングで抽出した3,000人を対象として行った「CORE2017 マスター調査」(訪問・郵送併用の自記入式留置調査)と、2017年2月にマスター調査協力者1,800人を対象として実施した「CORE2017 春オムニバス調査」(郵送調査法による自記入式留置調査)をもとに分析している。
「飲食店など公共の屋内では、ふつうにタバコは全面禁煙にすべきだと思うか」と尋ねたところ、20~79歳全体の約6割が「賛成」と回答した。「賛成」と答えた人は、20代では48%だが70代では74%と、年代が上がるほど上昇している。過去と比較すると、20代は上の年代に比べ、「全面禁煙にすべき」という意識は高くないことがわかった。
喫煙者と非喫煙者別に、「飲食店など公共の屋内では、ふつうにタバコは全面禁煙にすべきだと思うか」と尋ねたところ、喫煙者では17%、非喫煙者では70%が全面禁煙に賛成と回答した。非喫煙者も、20代の「全面禁煙にすべき」という意識は他年代よりも低かった。
世の中の常識に対する意識について聞くと、若年層ほど「常識にとらわれず色々な考え方が認められるべき」を支持する割合が高かった。20代では49%が、30代では39%が、40代では32%がそのように回答している。40代以下の層では、「常識にとらわれず色々な考え方が認められるべき」が、2000年と比較すると10ポイント以上増加している。
同社は、年代による「全面禁煙」に対する意識差の要因の一つとして「健康に対する意識」を挙げている。一般的には、年代が上がるほど健康に対する意識が強くなることから、年代とともに全面禁煙を賛成とする人が増えていると考えられるという。
もう一つの要因としては、世代による「多様な考え方への許容性」の違いが考えられるとのこと。全面禁煙に対する賛成率が低い若年層は、「色々な考え方が認められるようになるべき」という考え方を強く持っており、20代では5割にものぼっている。
全面禁煙は「喫煙者を公の場から完全に排除する」という意味合いが強い施策であるため、多様な考え方への許容性が高い20代には、「喫煙者・非喫煙者のどちらの考え方もきちんと汲み取った施策」を求める声が根強いのではないかと、同社では分析している。