日本ファイナンシャル・プランナーズ協会は4月14日、「FPを対象としたフィンテック(FinTech)に関する意識・利用状況調査」の結果を発表した。調査期間は2017年2月10~20日、有効回答はFP会社・事務所、士業事務所等に所属する同協会資格認定会員775人。

ロボ・アドバイザーの認知率は45.3%

フィンテックサービスの認知率をみると、FPの実務上で利用機会が多いライフプランニングソフトの認知率は79.6%で、特にFP会社・事務所での認知率は94.8%に達し、利用率も61.8%に上った。また、ロボ・アドバイザーの認知率は45.3%、PFM(個人資産管理)サービスの認知率は51.6%となった。

フィンテックサービスの認知率

フィンテックがFP業務に与える影響を尋ねると、「FPの業務効率やサービスの質が向上し、顧客の満足度が高まる」が最も多く44.1%。一方、「現在顧客に提供しているサービスがフィンテックにとって代わられる可能性がある」は34.3%、「資産形成意識を持つ顧客層が増え、FPへの相談ニーズが高まる」は34.8%」とほぼ同率で、同協会は「フィンテックの進展に対する期待感だけでなく、危機感を持っているFPもいる」と分析している。

FPが実務を行う際のプロセス(FPの6ステップ)のうち、フィンテックでの代替可能性を聞くと、「顧客との関係確立とその明確化(=顧客との関係構築)」については69.8%が、「プランの実行援助」については56.8%が、「代替が困難」と回答。同協会は「定性的なプロセスは、今後もフィンテックによる代替が困難であると考えているFPが多い」とみている。

他方、定量的な情報を扱うケースが多い「顧客のファイナンス状態の分析と評価」については77.3%が「代替が可能」と答え、フィンテックとの親和性が高いプロセスは代替が可能となるとの見通しが大勢を占めた。