米Microsoftは4月12日 (現地時間)、米ニューヨークで5月2日にスペシャルイベントを開催することを明らかにした。イベントの様子はライブストリーミングで配信され、現地時間の午前9時30分 (日本時間: 5月2日午後10時30分)にスタートする。
同社が春にハードウエア関連のイベントを開催するという噂がしばらく前から報じられ始め、Surface BookやSurface Proの次世代モデルの登場を期待する声が広がっていた。だが、5月2日のイベントでそうしたデバイスは発表されないという予想が大勢である。イベントを告知するイラストには「Learn what's next.」というメッセージに#MicrosoftEDUというハッシュタグが付けられており、シンプルに解釈すると教育関連のイベントになる。
そこで可能性として指摘されているのが、今年初めに開発のリーク報道があったWindows 10 Cloudである。米国のK-12(幼稚園~高校)市場で採用が伸びているChromebook (GoogleのChrome OS搭載)、AppleのiPadに対抗するデバイス向けのプラットフォームとしてMicrosoftが開発していると言われている。「Cloud」という名称は初期のChrome OSのようなクラウド型のプラットフォームを思わせるが、基本的には通常のWindows 10と同じ構成だ。ただし、実行できるアプリがUniversal Windows Platform (UWP)アプリに限られる。Windows Storeを通じてアプリを管理することで、教育向けに求められる安全を提供する。
Futuresource Consultingの調査によると、米K-12市場では2013年にトップに立ったGoogle(Chrome OS)が、その後も順調にシェアを伸ばして2016年の販売台数は730万台だった。Apple (iOS、macOS)は240万台に販売台数を落として3位。2位がMicrosoft (Windows)で280万台。Googleに大きく離されているものの、同社は2013年から着実に販売台数を増やしてきた。この伸びを加速させるための施策がWindows 10 Cloudである。5月イベントでMicrosoftのハードウエア製品が登場するかどうかは分からないが、Windows 10 Cloudのイベントになるなら、ハードウエアパートナーからの製品を含めてChromebookや、Appleが3月に発表した低価格の9.7インチiPad (37,800円から)に対抗できるかが注目点になる。