平成筑豊鉄道とキハ2004号を守る会は、ひたちなか海浜鉄道(茨城県)から譲渡された国鉄型気動車キハ2004の一般公開を4月16日に実施すると発表した。平成筑豊鉄道金田駅の車両基地南側線路上に同車両を展示し、室内の公開と撮影会を実施する。

ひたちなか海浜鉄道から平成筑豊鉄道に譲渡されたキハ2004

この車両は1966年に国鉄設計に準じて製造されたディーゼル車で、当初は北海道で使用され、後に茨城県に移った。1957年製の国鉄型エンジン「DMH17系」も状態が良く、車両内外が製造当時のまま、ほぼ原型をとどめている。クリーム色に赤い帯の車体色は、いまや全国にこの1両しか現存していないという「国鉄準急色」と呼ばれる懐かしのカラーリングだ。ひたちなか海浜鉄道では新車との置換えにより、2015年12月をもって現役を引退。その後、解体される運命にあった。

これを知った平成筑豊鉄道のOBが、かつて九州を走った準急「ひかり号」のイメージをいまに伝える貴重な車両を保存しようと、保存プロジェクトをスタートさせた。同社OBや鉄道ファンが中心となって「キハ2004号を守る会」を立ち上げ、茨城県から九州までキハ2004を移動させるための輸送費をクラウドファンディングで調達した。車両は2016年10月に九州に到着し、その後、エンジンのメンテナンスや補修作業も完了。現在は今年度中の乗車・運転体験実施に向けて計画を進めているという。

4月16日の一般公開では、昭和の香り漂うキハ2004の昔懐かしい雰囲気に触れてその魅力を感じてもらうことを目的として無料で開催。公開時間は13~16時で、公開中は「守る会」会長やメンバーによる車両解説、往年の車内放送再現、エンジン起動デモンストレーションなどを行う。