カルビーは10日、原料となるジャガイモの不足により、ポテトチップスの一部商品について今月より休売・終売すると発表した。この先、安定的な販売に向けて策はあるのか、メドはたっているのか。
ジャガイモの不足、それは北海道での収穫量が大きく減少したことが大きな原因だ。農林水産省によると、北海道は昨年6月、日照不足によりジャガイモの肥大が進まず、8月の台風に伴う大雨等の影響を受け、北海道のジャガイモ収穫量は171万5000トン、出荷量は152万6000トンでいずれも前年比10%減少した。
カルビーのポテトチップスの7割は北海道産のジャガイモを使用しており、同エリアの収穫量はポテトチップスの安定供給を左右するのだ。
しかしながら、大元の原因は、昨夏の天災である。それから半年、今に至るまでにジャガイモの輸入で対処できたのではないかとも思える。そのあたりはどうなのだろうか。
実は、ジャガイモの輸入は病害虫対策の観点から規制されており、輸入可能なものでも、利用エリア・輸入期間も限られている。カルビーでは米国産ジャガイモを使っているが、2月から8月までの期間限定であり、広島工場西棟と鹿児島工場の2工場でしか使えていないのが現状だ。
海外には頼れず、手当てするといっても、国内で探すしかない。もちろん、ジャガイモであれば何でもいいわけではなく、ポテトチップスに最適な糖分のジャガイモが必要になり、品種でいえば、トヨシロ、スノーデンといったものが主流になるようだ。そうした制限が積み重なればハードルはあがっていく。
だからこそ、安定供給にむけては、今後の国内での収穫に期待するしかないようだ。その収穫だが、桜前線が北上するように、5月以降、九州地方から始まっていく。しかし、先に述べたとおり、ジャガイモの生産の8割は北海道となるため、すぐに十分な量を確保することは難しいという。
ちなみに、一袋当たりの減量、値上げについては「今のところは検討していない」という。今回の発表は、一部商品を対象にしたもので、販売店からポテトチップスが姿を消すことにはならないだろうが、今年の北海道の収穫状況によっては、どうなるかわからない。ポテチファンとしては、今夏、北海道の天気が恵まれることを祈るばかりだ。