オウム病による妊産婦の死亡例が報告されたという報道が出ている。免疫力が低下しやすい妊婦は、さまざまな病気や感染症に気をつける必要があるが、そもそも、オウム病とはどのような病気なのか、そして、予防対策としてどのようなことができるのだろうか。
厚生労働省によれば、オウム病クラミジアを病原体とするオウム病とは、主にオウムなどの愛玩用の鳥から人に感染し、肺炎などの気道感染症を起こす病気。インコ、オウム、ハト等の糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えたりすることによって感染するという。
また国立感染症研究所がホームページ上に掲載している情報によれば、飼育している鳥だけでなく、自然界の鳥も保菌しているケースがあり、ドバトについては保菌率が20%と高くなっている。
病原体の潜伏期は1~2週間。その後、突然の発熱で発病する。初期症状としては、悪寒を伴う高熱、頭痛のほか、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などがみられ、呼吸器症状として咳、粘液性痰などがみられるとのこと。重症になると、呼吸困難、意識障害などが起こり、診断が遅れると死亡する場合もあるという。
予防対策として同省は、「鳥との接触を避け、むやみに触らない」「鳥を飼う時は、ケージ内の羽や糞をこまめに掃除する」などをあげている。他にも、鳥の世話をした後は手洗いうがいをし、鳥の健康管理には注意してほしいと呼びかけている。