Kyashは4月5日、個人間無料送金アプリ「Kyash」(iOS版)をリリースした。このレポートでは、アプリの詳細と発表会の様子をお伝えする。
個人間の送金サービスは年々拡大
クレジット・デビットカードや電子マネーをはじめとするキャッシュレス決済の普及が進み、2020年には最大で合計82兆円に迫ることが予想されている電子決済取扱高。一方、個人間でのお金のやりとりは、依然として銀行振り込みや手渡しといった、手数料や時間がかかる手段が主流となっている。
「Kyash(キャッシュ)」は、アプリをダウンロードしていない相手でもSNSや電話帳でつながっていれば、個人間で送金・請求ができるプラットフォームだ。アプリのユーザー登録にはショートメッセージによる認証番号確認などがあるが、本人確認や銀行口座の情報は不要。相手への送金・請求などユーザー負担の手数料は全て無料となっている。
LINE Pay、paymoとの違いは?
類似のサービスと言えば、先日マイナビニュースでも紹介したフィンテックベンチャーのAnyPayが運営する「paymo」のほか、「LINE Pay」「Yahoo! ウォレット」などがある。
大きな違いでいうと、Kyashは「前払式手段発行業」、LINE Pay、Yahoo! ウォレットは「資金移動業」、paymoは「収納代行(集金代行)モデル」という点だろう。業態・サービスにより、登録手続きにおける本人確認の必要性や送金範囲などが異なる。
受け取ったお金の利用方法についてはサービスを利用した友人への送金のほか、paymoでは銀行口座への引き出し(手数料200円)またはAnyPay対応店舗で使うことが可能。LINE Payは国内外JCB加盟店、Yahoo ウォレットはYahoo! ショッピングに対応している。
Kyashでは、Visaブランドのバーチャルカードに受取金を入れておき、オンライン・国内外のVisa加盟店でクレジットカード決済のように支払いに利用することができる。4,400万店にのぼるVisaのネットワークが利用できるという点は、ユーザーにとってかなり大きなメリットになりそうだ。ただし、現時点ではAmazonなどのネット通販の決済が中心で、実店舗での決済は準備中とのこと。
対応機種はiOS9.0以降。同社はサービス提供開始に際し、紹介者と招待者に300円が付与されるキャンペーンを実施している。