お笑いタレントで映画監督・俳優のビートたけしが、テレビ東京系ドラマ特別企画『破獄』(12日21:00~)の会見に、共演の山田孝之、吉田羊とともに登場した。

左から吉田羊、ビートたけし、山田孝之

同作は、吉村昭原作の同名小説をドラマ化。関東大震災で妻と子供を失い、脱獄阻止に命を燃やす人情派看守・浦田進(ビートたけし)と、彼の前に現れる天才的脱獄犯・佐久間清太郎の闘いを描く。脚本を池端俊策、監督を深川栄洋が務め、今回30年ぶりにドラマ化される。

たけしは登場するなり、「どうも、渡辺謙です」と一言。不倫報道により、現在騒動となっている渡辺のていで「大阪のナンバーワンのホステスと今不倫の関係にあって……」と話し始め、「ま、冗談はさておき」とドラマの役について語った。今回は看守役となるが、普段は凶悪犯などの役が多いために「取り締まる役はあまりやったことがない」という。

撮影前にオーストラリア旅行に行っていたたけし。「『真っ黒になっちゃうな』と思った瞬間に『1月から破獄のドラマがある』と気づいて」と語り、焼けてはいけないため「1週間ホテルに朝から晩までいて、クリケットの試合を見ていた」と明かした。「かつてない、『破獄』のような缶詰状態で」と説明し、同作を「今までにやった中で一番思い出に残るドラマ」と表現した。

浦田の娘・浦田美代子を演じた吉田は、たけしについて「父親らしく振舞わないところが父親らしい」と撮影を振り返る。「休憩時間とか、多くを語るわけじゃないんだけども、お話の中に入れてくださったりとか」と様子を明かし、「不器用な気遣いをされるところが、この役はたけしさんだなと思いました」と印象を語った。

役との共通点について聞かれたたけしは「家庭をほとんど気にしないというのは自分の私生活とも同じ」と苦笑し、「自分も芸人だから、家庭を選ぶか仕事を選ぶかと言われると、自分がここまで来たのはお客の支えだとはいつも思うので」と述懐した。

たけしは「仕事のあるない、辞める辞めないということは、お客さんが決めること」と持論を展開しつつも、特にドラマなどにおいて「やっぱり終わると反省ばかりして、もうちょっとちゃんとやれなかったのかなというのはあります」と心境を吐露。「失敗して次の作品、ということの繰り返しだと思ってしまう。病気だから治んないかもわかんないですけど、目の前の仕事をとにかくこれからは一生懸命やりたいと思う」真摯に語った。