東京急行電鉄と前田建設工業は3月29日、空港などの運営をはじめとする国内外のPPP/PFI 及びコンセッション事業(以下、インフラ運営事業)において、協働することで基本合意し、4月3日付けで、合弁会社「グローバル・インフラ・マネジメント株式会社」を設立する。
合わせて、東急グループ、前田グループ各社などで構成する共同パートナーシップ推進委員会を立ち上げる。今後、同合弁会社の経営基盤強化および戦略的なパートナーシップ構築に向けて、インフラ運営事業推進に関する検討・戦略立案などを行い、年内にも参画会社からの資本出資を受け入れて本格稼働していく。
日本では、2011年のPFI法改正に加え、震災復興や東京五輪施設開発など、多様なインフラ整備手法が注目を集め、民間資金の導入が期待されている。そのため、今後数年間の内に先行する世界各国と同様、公共インフラ投資、運営(コンセッション)市場が拡大されていくことが見込まれている。
同合弁会社は、まずは今後のコンセッション案件における事業機会獲得に取り組むと共に、出資各社の強みを生かし、コンサルティングから運営受託業務、運営会社への出資までを含め、事業展開していくことを計画している。なお、東急電鉄と前田建設は、今後応札する全ての案件について、この合弁会社を通して取り組むということではなく、案件個々の特性により個別に判断し、あらゆる可能性を模索していく。
東急電鉄は、2015年度を初年度とする中期3カ年経営計画「STEP TO THE NEXT STAGE」において、長期的な視点での事業戦略や成長施策を実行し、財務健全性を確保しつつ、仙台国際空港特定運営事業やベトナムでの都市開発など、これまで培ってきたグループのノウハウを生かしながら新規領域への積極的進出や成長領域への重点投資を実施している。同合弁会社の設立は、こうした成長実現に向けた取り組みの一環であり、インフラ運営事業を通した地域貢献を目指す。
一方の前田建設も、2016年度から 3カ年を対象とする中期経営計画「Maeda JUMP' 16~'18」の中で、重点施策のひとつつに「脱請負 No.1」を掲げ、すでに仙台国際空港特定運営等事業や愛知県有料道路運営等事業に参画している。今後も持続的成長に向けた収益基盤を確立するため、インフラ運営の中核事業者として取り組み拡大を積極的に進めていく。
東急電鉄と前田建設は、今後参画する出資各社と共に、すでに着手している各事業での経験を生かし、技術力に裏打ちされた信頼性の高いプロジェクト開発、地域社会と資本市場の期待に応える効率的な運営手法開発などにより、日本におけるインフラ市場の発展に貢献していくとしている。
合弁会社「グローバル・インフラ・マネジメント」(東京都千代田区永田町)の代表取締役として、会長には高橋和夫氏(東京急行電鉄 取締役専務執行役員経営企画室長 兼任)、社長には岐部一誠氏(前田建設工業 取締役常務執行役員経営企画担当兼 事業戦略本部長 兼任)が就任。資本金は5,000万円であり、出資比率は東京急行電鉄が50%、前田建設工業が50%となる。