季節は春。4月から新社会人となる学生の皆さんは、引っ越しなどで慌ただしい日々を送っているかもしれない。しかし、忙しいときこそ本を読んで一息つくのも大切ではないだろうか。そこで今回は、先輩社員に聞いた「新入社員が入社前に読んでおくこといいと思う本」のアンケート結果をお伝えする。
Q. 新社会人に対して「入社前にこの本を読んでおくといい」と思うおすすめの本はありますか?
ある……25.3%
ない……74.7%
Q. (あると回答した方)それはどのような本ですか?
ビジネススキル・マナー
・「やはりビジネスマナーの本です。仕事は会社か先輩が教えてくれますが、言葉使い・敬語などは入社前に知っておくことが大事だと思います。上座・下座などの席次なども覚えておいた方が良いと思います。いろんな場所で役立ちます」(48歳男性/大阪府/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)
・「これっていう本ではなく、社会人としての礼節や常識事、そして謝罪の仕方が書いてある本」(45歳男性/三重県/医療用機器・医療関連/営業関連)
・「中谷彰宏の『入社3年目までに勝負がつく77の法則』。新入社員教育で読まされたが感銘を受けた」(38歳男性/石川県/専門店/事務・企画・経営関連)
・「題名は忘れたが、ゲーム理論の本。人と交渉する上で役に立つ」(51歳男性/北海道/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「コミュニケーション技能の本。業務上のやりとりが円滑だと効率が上がるから」(30歳男性/鳥取県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』(吉田拳)です。情報社会の世の中でExcelが使えるのと使えないのでは雲泥の差が生まれます」(43歳男性/神奈川県/コンピューター機器/IT関連技術職)
小説・エッセイ
・「辻内智貴氏の本はオススメです。世の中の不条理に主人公がどう立ち向かうのか、面白い」(34歳女性/青森県/教育/専門サービス関連)
・「『下町ロケット』(池井戸潤)。ドラマから知り、原作をよんだが、社会の厳しさ、温かさを感じることができるから」(42歳女性/千葉県/広告・出版・印刷/事務・企画・経営関連)
・「小説全般。語彙力や知識が増える。歴史小説だとおじさん受けするかも」(25歳女性/千葉県/銀行/事務・企画・経営関連)
・「人間関係を学んでほしいので、夏目漱石などのビルドゥングスロマーン(人格形成小説、教養小説)を読んでほしい」(55歳男性/東京都/教育/専門サービス関連)
・「『その日のまえに』。重松清さん著書。人として何を残すか考えさせられます」(51歳男性/宮城県/専門店/営業関連)
・「『夢をかなえるゾウ』(水野敬也)。社会人としてモチベーションを高めながら仕事をして、本当にしたいことを見つめていくのにすごく共感できるので」(35歳女性/東京都/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)
・「伊集院静の『べっぴんの鯛』。新社会人に向けた作家の暖かなメッセージに触れられるから」(57歳男性/東京都/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
歴史・哲学・思想関係
・「永井路子『はじめは駄馬のごとく - ナンバー2の人間学』。最初から完璧はない。最初は泥臭く一生懸命がいいから」(57歳男性/宮崎県/その他/事務・企画・経営関連)
・「マキャヴェリの『君主論』。人間というものが分かる」(36歳男性/東京都/官公庁/公共サービス関連)
・「『論語』。会社だけでなく社会でいきる上での基本の考えを学べるので」(37歳男性/神奈川県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「哲学関係の本。自分の考えに固執すると、やりにくい。こだわらないことができると、楽になる」(37歳男性/愛知県/輸送用機器/IT関連技術職)
・「『プロフェッショナルの条件 - いかに成果をあげ、成長するか』(P・F. ドラッカー)。あのドラッカーが書いた本。心得を学ぶなら良いと思う」(48歳男性/滋賀県/その他メーカー/技能工・運輸・設備関連)
・「『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』/岩崎夏海)、分かりやすくプラスのマインドに変えやすい」(32歳男性/埼玉県/輸送用機器/メカトロ関連技術職)
・「仕事の幅を広げる視野を持つ力を育成する本。与えられた目の前の仕事をそのままこなすだけでなく、その仕事の背景や理由、改善点や工夫などを常に意識して仕事に取り組むと、人間は成長できると思う」(40歳男性/埼玉県/システムインテグレータ/IT関連技術職)
マンガ
・「『働きマン』(安野モヨコ)。ガッツをもらえる」(29歳女性/茨城県/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「『こち亀』(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』/秋本治)」(36歳男性/群馬県/教育/専門サービス関連)
・「西原理恵子のエッセイや漫画。単なるマナー本ではなく、長期的な視野を持ち、あらゆるリスクを想定した上で、収入を得る重要性を知ることができる」(32歳女性/埼玉県/精密機器/クリエイティブ関連)
人物伝など
・「武田双雲『ポジティブの教科書 - 自分も周りの人も幸運体質になる3つの基本と11の法則』。何事にも感謝する気持ちで行動してけるようになると自然と考え方がポジティブに変わってくる」(34歳女性/神奈川県/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)
・「『自分を開く技術』伊藤壇。アジアの国でプロのサッカー選手として活躍する内容。行動力が刺激されるはず」(41歳男性/北海道/専門店/販売・サービス関連)
・「人物伝。その人がどう生き、どう考えていたのか、その結果どう世の中に影響を与えたのかを知ることはいいことだと思う」(38歳男性/新潟県/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「松井秀喜の『不動心』。ブレない大事さが分かります」(41歳男性/東京都/サービス/専門サービス関連)
企業・経営者
・「トヨタの整理術。身の回りや仕事の進め方など、いかに整理しながら行うのか、参考になる」(48歳男性/神奈川県/専門店/販売・サービス関連)
・「トヨタのビジネス改善に関する書籍。目からうろこのような気付きを得られる」(58歳男性/東京都/ビル管理・メンテナンス/事務・企画・経営関連)
・「松下幸之助『道をひらく』。あらゆる職業に役に立つから」(24歳女性/愛知県/インターネット関連/IT関連技術職)
・「有名どころですが『人を動かす』(D・カーネギー)。仕事が辞めたくなる理由のほとんどは人間関係だと聞いたことがあります。顧客や同僚・上司、どんな人間関係においても人とどういう姿勢で向き合うかで相手の反応も自分の状況もガラリと変わる。それを指南してくれる本なので」(26歳女性/東京都/旅行・観光/事務・企画・経営関連)
その他
・「ブラック企業の見分け方」(46歳男性/北海道/官公庁/公共サービス関連)
・「仕事とは全く関係のない本。仕事すると読めない」(29歳女性/神奈川県/教育/公共サービス関連)
・「何でも良いので、漫画や雑誌、ゲームの攻略本など以外の活字の本を読んでおく方が良い。どんな仕事でも文章を書く仕事は必ずあるので、日常的にある程度、長い文章を読んでいるといろいろ役立つ」(40歳男性/兵庫県/インターネット関連/営業関連)
総評
新社会人におすすめの本があると回答した人は25%。そのうち最も多かったのは、ビジネスマナーやスキルを学べる書籍だ。「人との交渉力を身につける本」「社会人としての礼節や常識事、謝罪の仕方が書いてある本」「Excelの本」など種類は様々だが、入社前に読んでおいて損はないだろう。
また、『下町ロケット』(池井戸潤)を始めとする小説や哲学書、人物伝、マンガも、仕事に必要なことを与えてくれる。「社会の厳しさや温かさを感じることができる」「ガッツをもらえる」「ぶれない大切さがわかる」というコメントが寄せられたように、「働くこと」について考える手助けをしてくれる書籍はビジネス書だけではない。
その他の意見としては、「文章を書く仕事は必ずあるため、何でもいいから活字を読んでおくと良い」という意見や「仕事をすると読む時間がないので、仕事とは全く関係ない本」をおすすめする人も見受けられた。
調査時期:2017年3月3日
調査対象:マイナビニュース会員のうち会社員の経験がある男女
調査数:502名
調査方法:インターネットログイン式アンケート