日本政府観光局の発表によれば、2016年の訪日外国人数は、同局が統計を取り始めて以来最高となる2,403万9,000人だったという。中国人による「爆買い」という言葉が一世を風靡したように、近年は日本へと訪れる観光客が増え続けている。2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控えており、今後も日本へと足を運んでくれる外国人が増えそうだ。
ところで、旅行先での大事な作業の一つといえば、おみやげ選びがあげられるだろう。家族や友人、パートナー、職場の人らへ渡すおみやげを、財布と相談しながらあれこれ悩む時間が楽しいという人も少なくないはずだ。
では、外国人が日本でおみやげを購入するとなったら、どのような商品を選ぶのだろうか。「なぜ、それを? 」というようなチョイスがみられる可能性もあり、日本人と外国人のギャップが楽しめそうだ。今回は、健康・美容系の製品に絞ったうえで、日本在住の外国人20人に「母国で喜ばれそうなおみやげ」について聞いてみたので、気になった回答を紹介しよう。
Q. 母国へのおみやげとして喜ばれそうな日本の美容・健康製品と選んだ理由を教えてください
食品系
・「抹茶です。おいしくて、健康的だから」(ギリシャ/30代前半/男性)
・「健康食品よりはお菓子のほうが良いと思う。美容用品は最近、韓国のほうがいいからあまり買わない」(韓国/30代前半/女性)
・「コラーゲンのサプリ。タイでも肌のハリを気にする女性が増えてきているから」(タイ/30代前半/女性)
・「サプリメントは最高です。色んなビタミンやミネラルを摂取させてくれます」(トルコ/30代後半/男性)
・「お抹茶。健康的で日本のシンボルでもあるから」(インド/30代前半/女性)
・「コラーゲンドリンク。いい品質だし、大人気の商品」(ベトナム/30代前半/女性)
・「日本でしか買えない食品が基本です。すぐ食べられるもので、日本に行きたくなるものや、また欲しくなるものをあげたら喜ぶ場合が多いです」(アメリカ/20代後半/男性)
化粧品系
・「美容液やマニキュアです。長持ちするからです」(モンゴル/40代前半/女性)
・「美容マスク。効果的だと思われるからです」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「日本の化粧品、例えばSKII。インドネシアでは高いため」(インドネシア/30代前半/男性)
・「資生堂の美肌クリームやコラーゲンが入った保湿剤などです。とてもいい効果があるものだからです」(ポーランド/40代前半/女性)
・「お母さんに花王の乳液。とても品質が高いですから。お父さんはいつもアフター剃りのクリームなどを頼んでくる。こういう毎日使うものを選びます」(ロシア/30代前半/女性)
・「お茶、資生堂のファンデーション、チークパウダー」(フランス/30代前半/女性)
その他
・「入浴剤。色々あって楽しいです」(ドイツ/40代後半/女性)
・「日本の温泉成分入りの入浴剤が喜ばれると思います。日本の温泉は健康にいいと考える人が多いと思います」(モロッコ/30代前半/男性)
・「電子血圧計、または低周波治療器などがいいと思います」(エジプト/30代前半/男性)
・「光脱毛器、ビデ・ウォッシュレット。母国では売っていないですから」(キルギス/30代前半/女性)
・「パナソニックのドライヤー。台湾にはない商品だし、その効果はクチコミでいいとの評判がある」(台湾/20代前半/男性)
■総評
食品系と化粧品系が人気を二分する形となった。今回回答してくれた人たちの間では、食品系では抹茶やサプリメントが、化粧品系では資生堂や花王といった大手メーカーの製品が人気なようだ。特に化粧品は日本の製品が非常に優れていると考えている人が少なくなく、女性からの高い支持を得ていた。
一方で注目したいのが、ドイツとモロッコ出身の人が回答した入浴剤だ。お風呂に浸かる習慣は、日本では当たり前だが海外ではそうではない。バスタブに入らず、シャワーだけで済ませてしまう国の人たちの方が多い。それだけに、お風呂に漬かってさまざまな色や成分を楽しめる入浴剤は、「日本らしさ」が手軽に楽しめるおみやげとして重宝されるのかもしれない。
今回の結果を、海外から来る知人・友人たちへ渡すプレゼント選びの参考にしてみてほしい。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2017年1月23日~2017年2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート