桜の開花予報が聞かれるようになり、幼稚園や保育園の卒園、小学校入学のシーズンですね。新小学1年生のお子さんのいる家庭では、お子さんの学校生活が順風満帆になるよう願いつつ、心配もあるかもしれません。
また、初めて小学生のママになる人は、早々に役員決めがある小学校のPTA役員についても、すでに噂を耳にしては気になっているのではないでしょうか。そこで今回は、「なったら大変! 」という声をよく聞くPTAについて、実際に経験した都内在住の4人のママたちに本音で教えてもらいました。
Aさん: 本部2年経験
Bさん: 本部2年経験
Cさん: 専門部1年経験
Dさん: 本部3年、専門部2年経験
働きながらPTAをこなす苦労
PTAは各学校で組織された、保護者と教職員によって構成される、任意で加入する組織です。地域や学校によって、部の編成や役員数などは違いますが、6年間の小学校生活ではほとんどの保護者が順番に、何かしら役員としての関わることになると言われています。
お話を聞いたのは、都内の小学校に通う子供を持ち、お子さんが1~2年生の間に早速PTAを経験した4人のワーキングママたち。この小学校ではメイン部隊の「本部」と、役割区分のある「専門部」(広報など)があり、本部役員は2年、専門部は1年の任期となっています。4人とも、積極的に役員になったという訳ではなく、
Aさん: 「知り合いのママに誘われて断りきれず」
Dさん: 「誰もやりたくないという雰囲気に耐えきれず」
というような状況で役員を引き受けたママたちとのこと。
Bさん: 「クラスから各専門部に1人ずつ、本部役員は2人ずつというように、おおむね人数に決まりがあるので、年度始めの保護者会で、もしやりたい人がいなければくじ引きやジャンケンなどで選出されます」
Cさん: 「乳児がいるママやマタニティママなどは、集まりに参加することが難しいと配慮される場合もありますが、今どき"仕事してます"は、考慮の対象にならない場合が多いです」
最近は、働くママが多い事情を考慮して、平日の日中ではなく、仕事が終わる平日夕方からの活動にシフトしているところもあるようです。その状況に関して、
Dさん: 「まだ低学年の子を上の兄弟に面倒を見てもらって、夕飯時に家を空けてPTAに参加しているのは何か違う気がする」
Cさん: 「夜に集まるのは旦那や旦那の両親からあまり良くは思われていなく、1年間だけだからと何とか理解してもらう状況だった」
という意見がありました。一般的なオフィスタイムを外して夜に集まることが、誰もが参加しやすいPTAへの解決策というわけではないようです。また、乳幼児を連れて会合に参加したママの意見は「集中できない。それに郊外での活動は子供を連れて行けないものが多く、気軽に預けられる先がないと参加できない」と、PTAのために子供を預けることの大変さがあったそうです。
ただ、部門によっては、
Bさん: 「例えばコピーなどは、先生方が使わない日中に行った方が効率がいいので、できる人でやった。休み時間などに子供の姿を見かけると、授業参観とは違う普段の様子が分かるので良かったなと思う」
Cさん: 「昼に雑用で集まっても、作業しならのママたちの情報交換が有意義だったりもする」
と、うまく仕事を回せるような工夫ができるのが理想で、少人数の時こそ、学校の様子や先生たちの評判などの情報収集ができるようです。また、行事などでPTAの役員として活躍している姿を、我が子が見て誇らしく思ってくれていたということも話してくれました。
もっと子供たちに寄り添う活動を
具体的なPTA役員の仕事について聞いてみると、
Bさん: 「各行事での来賓の接待が多い」
Aさん: 「地域の他の小学校との交流会や前年度の役員の慰労会や新年会など、大人の集まりが多い」
Dさん: 「積極的にPTA役員になったわけではないものの、子供のためと引き受けたのに、振り返ってみると、子供と直接的に関わることよりも、やや遠い内容の仕事が多かった」
などと感じたようでした。確かに、運動会で来賓の接待や駐輪場の整理に奔走するPTA役員のママたちの姿が思い起こされます。駐輪場にいる内に子供の出番を見逃し、写真も撮れないということもありえます。「特に行事では役員の負担をもう少し減らし、役員以外のママも協力できる環境があれば」という声もありました。
PTA役員をやってみて一番大変だったのは、
Cさん: 「夜に集まるのが大変」
Dさん: 「集まってもすぐに始まらず会議が長い」
Bさん: 「集まりが多く、毎日のように学校に通った月もあった」
など、時間の拘束に対する声が一番多いよう。ただ皆さん、「子供のためということでやってこれたし、大変だった分、任期を終える今は達成感もある」とのこと。
これからPTA役員になるかもしれない人へのアドバイスや、今後のPTAのあり方については、
Cさん: 「PTAは役員だけが活動するのではなく、もっと親たち全体で協力していける環境づくりができればいいと思う」
Aさん: 「知り合いのママと一緒にできるのであれば、率先してチャレンジしてみては。すでに輪ができている中にポツンと入るのと、誰かひとりでも知っているママがいるのとではやりやすさが違う。愚痴もこぼせますよ(笑)」
Dさん: 「以前からの流れをそのままなぞっている活動も多いので、見直せるところは見直し、もっと子供たちに寄り添う活動が増えて、より良いPTA活動にしていけたら」
と前向きな意見をいただきました。
巷(ちまた)ではPTAの大変さや存在意義が議論されていますが、その一方で、PTA主催のイベントで楽しむ子供たちを見られるほか、行事が円滑に行われ1年が無事に終わることへの達成感などもあるようです。PTAのあり方や運営方法はその地域・学校によって異なりますが、働くママ・パパだからこそできる効率化や能率アップのアイデアを出し合い、PTAを今のライフスタイルにフィットする、働くママ・パパも参加しやすい"やりたい・やって良かった"フィールドにブラッシュアップしていくことが求められているようです。
※写真はイメージで本文とは関係ありません