エン・ジャパンはこのほど、企業を対象とした「過重労働」に関する調査結果を発表した。調査期間は1月25日~2月21日、有効回答は『エン 人事のミカタ』利用企業408社。
過労死ライン超え残業、業種別1位は?
過去1年間で過労死ライン(月80時間)を超える残業をした社員がいたかと尋ねたところ、40%が「いた」と回答。2016年12月に政府が発表した「過労死等ゼロ」緊急対策の是正対象に4割の企業が該当する可能性があることがわかった。
「いた」と答えた割合を業種別にみると、「広告・出版・マスコミ関連」が64%と最も多く、以下、「IT・情報処理・インターネット関連」が48%、「メーカー」が45%、「サービス関連」が38%と続いた。企業規模別では、規模が大きくなるにつれ「いた」の割合が多くなる傾向がみられた。
過重労働防止に取り組んでいる企業は74%。実施している取り組みとしては、「業務分担やフローの見直し」(58%)、「管理職への教育(時間管理)」(52%)、「残業を事前申請させる」(51%)が上位に入り、同社は「人員を増やして対応するのではなく、既存社員の業務の進め方を変更したり、社内ルールの整備を優先している企業が多い」(同社)と分析している。
2016年12月に政府が公表した『過労死等ゼロ』緊急対策については、84%が「知らない」(「名称は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」を含む)と答え、「内容も含めて知っている」は16%にとどまった。