東京都の産業労働局は3月23日、「平成28年度 東京都男女雇用平等参画状況調査」の結果を発表。調査は2016年9月1日~30日、都内全域の30人以上規模の事業所のうち、「建設業」「製造業」「情報通信業」など13業種2,500社、及び当該事業所に勤務する従業員5,000名を対象に、郵送による配布・回収にて行われた。
従業員が必要とする「多様な働き方に関する制度」
「多様な働き方の実現に必要だと思う制度」を従業員に聞いたところ、男女ともに「フレックスタイム制度」(男性52.6%、女性56.6%)が最多に。以降、男性は「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」(46.0%)、「再雇用制度」(42.3%)が上位に。女性では、「短時間正社員制度」(56.2%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」(52.6%)となった。
また、それぞれの制度を導入している事業所の割合は「再雇用制度」(47.9%)が最も多かった。次いで「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」(31.2%)、「フレックスタイム制度」(23.4%)となった。
制度を導入した理由・利用した理由
事業所に「制度を導入した理由」を聞いたところ、「優秀な人材を確保するため」(53.0%)が最も多く、次いで「従業員の定着を図るため」(51.3%)、「仕事と育児や介護の両立支援のため」(50.4%)となった。
また、従業員に「制度を利用した理由」を聞くと、男性は「仕事のパフォーマンスを上げるため」(男性36.9%、女性13.3%)が、女性は「仕事と育児の両立のため」(男性27.5%、女性57.1%)がそれぞれ最多となり、男女に違いが見られる結果となった。
制度利用のメリット・デメリット
制度を利用した従業員の満足度は85.9%(「満足」45.1%+「やや満足」40.8%)となった。制度を利用したことによるメリットを聞くと、男女ともに「仕事と育児の両立ができた」(男性30.9%、女性52.9%)がトップに。以降、男性は「仕事のパフォーマンスが上がった」(27.5%)、「業務が効率化した」(26.8%)。女性では「業務が効率化した」(20.8%)、「残業が減った」(17.9%)と続いた。
デメリットについては、男性は「特にデメリットはない」(57.7%)に回答が集中。次いで「同僚の業務負担が増えること」(13.4%)、「業務時間内に仕事を終えることができなくなる等、業務に支障が出ること」(12.1%)となった。
一方、女性は「給料が低くなること」(42.1%)が最も多く、以降、「同僚の業務負担が増えること」(32.9%)、「特にデメリットはない」(28.3%)と続いた。