待ってました! スマートなナイスガイ、トム・ヒドルストンが超大作『キングコング:髑髏島の巨神』(3月25日公開)を引っさげて初来日! 『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』シリーズの悪役ロキを演じて大ブレイクしたトムは、日本で"トムヒ"と呼ばれて人気を博している。
ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(14)のチームが放つ『キングコング:髑髏島の巨神』では、キングコングなどの巨大生物たちが生息する謎の島・髑髏島に派遣された調査遠征隊のサバイバル劇が描かれる。ちなみに本作のキングコングは、全長31.6メートルという巨体で迫力もケタ違い! 彼は島の守護神であり、巨大怪獣とのバトルシーンも大興奮間違いなしだ。
トムが演じたのは、遠征隊の隊長・ジェームズ・コンラッド役。トムにインタビューし、過酷を極めたというロケでのエピソードについて聞いた。
――まずは、ベトナムでの撮影秘話を聞かせてください。
ハノイから北西に車で2時間くらい行ったところにあるニンビンへ行ったんだ。へんぴなところだけどすごく美しい場所で、川や山、湖があり、岩もたくさん突き出していたよ。撮影隊が300人もいて、そこへ行くだけでも大変だった。行くこと自体が冒険だったね。
――かなりワイルドな撮影だったと思いますが、トムさんはアウトドア派ですか?
そうだね。僕はアウトドアが大好きだよ。イヌみたいに外に出してくれないとイライラしてくるタイプで、外で走るのも大好きだ。ロンドンにいてもアメリカにいても、ロケ地のオーストラリアやベトナムでも走り回っている。僕は演じたコンラッドほどたくましくはないし、万が一髑髏島に連れて行かれたら1日ももたないかもしれないけど、自然とつながることはとても健全だと思ったね。
――では、コンラッド役を演じるにあたってのトレーニングもそれほど苦ではなかったのですか?
限界まで体を鍛えるというのはすごくいいことだと思った。まあ、僕ももう36歳だし、もう少ししたらどんどん体が下り坂になると思うけどね(苦笑)。今は体の限界を知れてすごく良かったと思っているよ。
――その限界というのは、どういうものでしたか?
朝日が昇ってから夕日が沈むまでずっと撮影していたんだ。起床は朝4時で、走ったりするアクションも多く、それが6カ月間も続いたから大変だったよ。アクションはすべて自分でこなしたけどケガもなく無事にゴールできた。苦労したけど、それが本当に限界なのかはちょっとわからない。
――キングコングがものすごくカッコ良かったです。男性の目から見てもクールでしたよね?
キングコングは一番男らしいよね。今回のコングは人を守る側なんだ。でもそうじゃなくて、破壊的で恐ろしいヤツだと誤解されている。そこに共感できるんだよね。やっぱり誰しも誤解されると傷つくし。でもコングは自分の力を正しく使っているし、自制もできるし、責任感だってあるから、すごく魅力的だと思う。
――まさにキングコングは理想の男性像ですね。ちなみにあなたの理想像とは?
優しくてリスペクトできる人、責任感がある人かな。これらを実行できている人は珍しいと思う。僕も責任のある男になりたいね。
――オスカー女優ブリー・ラーソンと共演してみていかがでしたか?
ブリーは素晴らしい女優だ。ただ、撮影当時の彼女は『ルーム』(15)が高い評価を受けた後で、週末になるとロサンゼルスへ授賞式に行ったりしなければいけなかったからとても忙しそうだった。もちろんすごくいいことだけど、体力的にはきつかったと思う。
週末にドレスアップして授賞式に出て、それからまた現地に戻って沼に入るんだよ。しかも沼での撮影は水がすごく冷たかったし、1日中、洋服のまま浸かっていたりしたんだ。さらにびしょびしょのまま走っていなければいけなかった。それを毎日やっていたよ。俳優ってきつい仕事でしょ(苦笑)。みなさんが映画を観るのはたった2時間だけど、僕たちは1年かかって作ったわけだからね。
――これまで幅広い役柄を演じられてきましたが、今後、俳優としての野望を聞かせてください。
まだまだ野望はいっぱいあるよ。年を重ねて人生経験も豊かになり、もっと言いたいことができたから。また、僕はシェイクスピアと共に成長していきたいので、俳優としてはまずシェイクスピア作品を中心に置いているんだ。シェイクスピア作品にはいろいろな年代の役があるので、それをずっと演じていきたいという野望がある。若い頃は恋人役から始まり、戦士、王様、父親、賢者、道化など、演じがいのある役柄がある。それが俳優としてのやりがいにつながるよ。
■プロフィール
トム・ヒドルストン
1981年2月9日、イギリス・ウェストミンスター出身。『マイティ・ソー』(11)でソーの義兄弟ロキを演じて大ブレイク。以降『アベンジャーズ』シリーズでも同役を演じ、今後『Thor: Ragnarok』が待機中。他の主な出演作に『戦火の馬』(11)、『ミッドナイト・イン・パリ』(11)、『クリムゾン・ピーク』(15)、『アイ・ソー・ザ・ライト』(15)などがある。
(C)YOSHIKO YODA
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