西武鉄道の新型通勤車両40000系を使用する有料座席指定列車「S-TRAIN」が25日から運行開始した。元町・中華街駅と飯能駅で出発式、西武秩父駅で到着歓迎イベントが開催される。運行初日の一番列車「S-TRAIN1号」(元町・中華街駅7時1分発)は満席と案内され、出発式が行われた元町・中華街駅は早朝から多くの利用者らでにぎわった。

元町・中華街発西武秩父行「S-TRAIN1号」。新型通勤車両40000系の第1編成が使用された

「S-TRAIN」はロングシートからクロスシートへ転換可能な西武鉄道の新型通勤車両40000系(2016年度は2編成を製作・導入)で運行され、土休日に元町・中華街~西武秩父間で計5本(元町・中華街発3本、元町・中華街行2本)、平日に豊洲~所沢間で計7本(豊洲発3本、豊洲行4本)を設定。「お出かけや通勤・通学などの様々なシーン(Scene)に」「全席指定でゆったり快適に座れる座席(Seat)で」「乗り換えのない(Seamless)直通運転の便利さを」など、さまざまな思いを込めて「S-TRAIN」の愛称が付けられたという。

「S-TRAIN1号」の出発式は元町・中華街駅1番線ホームにて行われた。同列車に使用される40000系(第1編成)は6時55分頃に入線。出発式では横浜高速鉄道みなとみらい駅長の小泉久好氏が挨拶し、「横浜から緑多い秩父まで、ゆったり座れる指定列車で心地良い旅を楽しんでいただけたらと思います。ここ横浜でも、今日から『全国都市緑化よこはまフェア』が開催されます。花と緑が街並みを彩りますので、ぜひお越しください」と挨拶した。

出発式には"鉄道アイドル"木村裕子さんも出席したほか、西武鉄道キャラクター「レイルくん」、東京メトロ地域応援キャラクター「駅乃みちか」、東急線キャラクター「のるるん」も駆け付けた。出席者らによるテープカットの後、みなとみらい駅長の小泉氏による出発合図で元町・中華街駅を発車した。

「S-TRAIN1号」は元町・中華街駅からみなとみらい線を走行し、みなとみらい駅と横浜駅(ともに乗車専用)に停車して東急東横線へ。車内で限定乗車記念グッズ「S-TRAIN1号オリジナルキーホルダー」のプレゼントも行われた。東急東横線では自由が丘駅に停車し、祐天寺駅では両側のホームに列車が停車する中、この日から供用開始したという通過線を走行。7時30分すぎ、「S-TRAIN1号」は渋谷駅に到着した。

元町・中華街駅で出発式を開催。出席者らによるテープカットが行われた

「S-TRAIN1号」の車内。5~9号車にはツアー客が乗車した

東急東横線の停車駅は横浜駅、自由が丘駅、渋谷駅のみ

東急東横線祐天寺駅を通過。新設の通過線を走行した

渋谷駅からは東京メトロ副都心線を走り、新宿三丁目駅と池袋駅に停車。池袋駅(副都心線)は降車のみの扱いとなる。西武有楽町線・池袋線・西武秩父線では石神井公園駅、所沢駅、入間市駅、飯能駅、西武秩父駅に停車する。西武秩父駅での到着歓迎イベントでは、木村裕子さんと西武秩父駅管区長によるトークセッションなどが行われる予定だという。西武秩父駅では3月25・26日の2日間、秩父鉄道「SLパレオエクスプレス」の臨時列車(下り三峰口行)も同駅発で運行される。