3月24日、新たな黒船バーガーショップが日本1号店を東京・青山にオープンした。タイム誌で“史上、最も影響力のある17のバーガー”に選出されたこともある「UMAMI BURGER(ウマミバーガー)」だ。オープンに先駆けて、21日にはプレスを招いての内覧会を実施。その日の印象も交えつつ、UMAMI BURGERの可能性を考えてみたい。
UMAMI BURGERは2009年に米国のカリフォルニア州ロサンゼルスで誕生。その後の6年間で、米国内の店舗網を25店まで拡大した。今回の日本1号店が海外初出店となる。写真はオープニングセレモニーの様子 |
ハンバーガーのイメージを覆す新たな食べ物
“アメリカにうまい食べ物はない”と揶揄されるほど、米国発信の食文化は高い評価を得ていなかった。料理界の王道といわれるフランス料理や、四川料理や北京料理に代表される中国料理は世界中に広がる一方、米国の料理といわれて、頭に浮かぶのはハンバーガー、ベーグル、ドーナツくらいではなかっただろうか。
試食会に出されたハンバーガーは、いままで味わったどのチェーン店舗の商品とも一味違っていた。いや、まったくの別物という印象を受けた。試食用はミニサイズであったが、実際の商品サイズを考えると、ハンバーガーというよりは、ひとつの料理として進化を遂げた創造物と言っても過言ではないだろう。一言でいえば、“ヌーベル・キュイジーヌ・ハンバーガー”という、従来のハンバーガーのイメージを覆す食べ物である。
うま味を引き出す調理法
UMAMI BURGERは調理されて客に提供される。素材を挟んで提供される従来のハンバーガーとは異なり、提供されるまでには時間もかかる。
話を聞いた取締役兼店長の澁谷晃輔氏によると、同店では素材だけでなく、その調理法にも相当こだわっている。素材をいかすだけではなく、素材の“うま味”を最大限に引き出す調理法。「食べた瞬間だけではなく、店を出た後にもうま味の余韻とおいしかったという経験・体験を引き続き感じていただきたい」と澁谷氏は力強く語ってくれた。
素材の一つ一つにうま味があり、その素材が口のなかで咀嚼されたとき、足し算ではなく掛け算として新たな味わいが誕生する。口に入れた一口目、咀嚼したときの口に広がる二口目、そして食べ終わった後、体を駆け巡る満足感と余韻。つまり、UMAMI BURGERの味わい方は3段ロケットなのだ。