ユーザーの声を取り込み同人誌作成のための特設サイトも用意
また、中央営業事業部 流通・サービス営業統括 アーケードサービスグループ グループ長の佐野広延氏は、以下のようにユーザー側の発想で利用シーンが拡大していると語る。
「ネットプリントは当初、自分が用意した写真などをプリントするものだったのですが、今ではわれわれの考えてもいなかった使い方がされるようになっています。例えば、スポーツ観戦時に応援用の横断幕代わりにみんなで同じ紙を持って応援しようとTwitterで呼びかけたりすることにも使われています。また、誰かがアップロードしたものをみんなでプリントして使うという方法によって、選挙の時には利用数が増えます。そのほか、同人誌即売会などでオリジナルの作品を発表している個人クリエイターが、自分の作品を多くの人に届ける手段として使っていたりもします」
ユーザーにとってわかりやすいメニュー表示などはマルチコピー機の端末が世代変更されるのとは別に、随時改善されている。機能強化や表示変更にあたっては、ユーザーの声も大事にしているという。そうした中で見えてきたのは、自分で漫画などを作成している、いわゆる「アマチュアクリエイター」のユーザーが多いことだ。
「同人活動をしている方の利用が多いということで、同人誌即売会に出展してマルチコピー機の利用を呼びかけてみたり、ユーザーからのヒアリングを行ったりしています。同人誌作成のための特設サイトも作ってみました」と佐野氏。
マルチコピー機の便利な機能として、複数ページからなるPDFファイルや、一定枚数までの画像ファイルを集めて中綴じの冊子としてプリントする「小冊子プリント」という機能が用意されている(ネットプリントは、画像ファイルの小冊子プリントには対応していない)。
例えば、A4サイズで16ページのデータならば、A3の用紙表裏に4ページ分をプリントする形で、半分に折って中央をステープラで留めれば冊子になるように自動的に面付けしてプリントしてくれる機能だ。ビジネスでもカタログ作成などで利用できる魅力的な機能だが、個人ユーザーの中ではこれを利用して同人誌を作成する例が多いという。
そこで作られたのが「セブン-イレブンのマルチコピー機で同人活動をもっと手軽に・もっと楽しく!」という特設サイトだ。イラストや漫画的な表現を利用して、わかりやすく具体的なデータの作り方や本体の操作方法などを紹介している。
ユーザー登録なしの写真プリントなどアプリも充実
現在、セブン-イレブンのマルチコピー機と連携できるスマートフォンアプリは3種類ある。
それらのうち、ネットプリントの利用者向けは2種類で、スタンダードな「netprint」のほかに「netprint 写真かんたんプリント」というものがある。こちらは写真プリントに機能を絞り込んでいるが、ユーザー登録なしで利用できるアプリだ。予約番号は都度登録したメールアドレスで受け取ることになる。
左から、「netprint」「netprint 写真かんたんプリント」のアイコン |
もう1つが、スマートフォン内部にある写真データを店頭でWi-Fiを利用して直接マルチコピー機に送信する「セブン-イレブン マルチコピー」だ。
「Wi-Fiの使いやすさにも非常に気をつかっています。できるだけ簡単に、さらにセキュリティもしっかり担保して使えるようにと工夫しました」と高田氏。ユーザー登録は面倒だという一般的なユーザーの感覚に寄り添ってのサービス拡大だ。
「セブン-イレブン マルチコピー」のアイコン |
現在、全国1万9220のセブン-イレブン店頭で、富士ゼロックスのマルチコピー機によるネットプリントなどが利用できるようになっている。ビジネスユーザーにとっても、趣味の個人ユーザーにとっても、身近なプリントサービスとして活用しやすいものになっているといえるだろう。
「今後も、みなさんのお役に立てるようなマルチコピー機を提供して行きたいと思っています」と佐野氏はこれからもサービスの強化を行いたい意向を語ってくれた。