トヨタ自動車はレクサスブランドのフラッグシップクーペと位置づける新型「LC」を発売した。ブランドの新たな方向性を示す新型車として開発、投入されたクルマで、キャッチフレーズは「新世代LEXUSの幕開けを象徴するフラッグシップクーペ」だ。

「LC500」の“S package”

レクサスブランド立ち上げの背景

トヨタの社内カンパニーの中で、「レクサスインターナショナル」は豊田章男社長が直轄する別格の体制となっている。そのレクサスインターナショナルは、「日本初のグローバルプレミアムブランドとしてのイメージ確立に向けて変革が急務」とし、ここ最近は、新車発表の展開などを含めた新たな試みを進めてきている。

トヨタは1989年に米国市場でレクサスブランドを立ち上げた。当時、米国におけるトヨタブランドは小型車で性能・品質に定評があったが、別ブランドとしてレクサスを立ち上げ、高級車市場にチャレンジしたのである。米国におけるレクサスは、そのブランド戦略により1990年代に浸透、成功し、2005年からは日本市場にも参入した。それから、全国にレクサス店がセットアップされた経緯がある。

スタートから30年近くが経過したレクサスは、社長の陣頭指揮の下、世界的な高級車ブランドとしての地位確立に向け、車種のラインナップ拡充やブランド戦略を改めて進めている。その中で、今回の新型LC投入はレクサスブランド変革への大きなインパクトといえよう。

ジュネーブショーで「プロダクションカーデザイン賞」受賞

新型LCは、レクサスブランドの新たなフラッグシップクーペとしてラインナップに登場。トヨタの新しい設計手法であるトヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)に基づいたフロントエンジン・リアドライブ(FR)専用のプラットフォーム「GA-L」を初採用し、コンセプトカー「LF-LC」のデザインイメージをモチーフとした独自のデザイン、世界初のマルチステージハイブリッドシステムをはじめとする先進技術を採用した。

日本での発売に先立ち、新型LCはジュネーブ国際モーターショーで披露され、世界のカーデザイナーから選ばれる「プロダクションカーデザイン賞」を受賞した。この事実は、LCのデザインが欧州でも高い評価を受けたことを物語っている。