テレビ各局の春の改編で、さまざまな番組が終了を迎えている。この時期になると、"惜しまれつつ"という枕詞とともに、打ち切りとなる番組が存在するもの。そこで、視聴者の「満足度」という観点から、今月で終了する3つのバラエティ番組が、いかに"惜しまれつつ"終了するのかを探った。
まずは、19日深夜に終了したフジテレビ系『人生のパイセンTV』(日曜24:30~)。尊敬すべきちょっと"おバカ"な先輩たちを「パイセン」と呼び、彼らに密着して人生を楽しむコツを学んでいく内容で、「短パン社長」などを発掘してきた。
データニュース社が運営する視聴状況調査「テレビウォッチャー」では、関東1都6県2,400人を対象に満足度を5点満点で評価し、3.7以上を高満足度と位置づけているが、『人生のパイセンTV』は、今年に入ってからの10回中、半数の5回で3.7以上をマーク。19日深夜の最終回は4.0を記録し、自由記述による感想では「番組終わってしまうのがとても残念」(39歳男性)、「この番組が終わりなんて寂しい」(73歳女性)と、文字通り終了を惜しむ声が寄せられた。
『パイセンTV』に続く時間帯で放送され、同じく19日深夜に終了したのは『そんなバカなマン』(フジ系、日曜25:00~)。バナナマンとバカリズムがさまざまな企画を繰り広げるもので、無線の指示を受けた日村勇紀が女性ゲストを困惑させる「パシフィック・ヒム」などが人気だった。
こちらの満足度は、今年に入ってからの10回平均が4.10という高水準。最終回の感想では、「最近のフジテレビで一番面白い番組だったのに終わらせてしまうのは勿体無い」(39歳男性)、「こんなに面白い番組が終わるなんてどうかしてるぜ」(37歳男性)と、終了に納得のいかない意見が集まった。
そして、最後に挙げるのは、27日深夜に最終回を迎える『万年B組ヒムケン先生』(TBS系、月曜24:58~)だ。バナナマンの日村に、バイきんぐの小峠英二、三四郎の小宮浩信が、"ちょっと応援せざるを得ないイマドキの<B組な>若者たち"を応援していく内容で、野球経験ゼロでプロを目指す「ケブくん」などを発掘。ちなみに、同番組と『そんなバカなマン』には、いずれもシオプロが制作協力に入っている。
こちらもやはり高満足度で、今年の10回中9回が4.0以上となり、1月9日放送分は4.75を記録。番組終了が告知された2月27日深夜の放送に対して「終わってしまうのはとても残念」(38歳男性)、翌週にも「ケブくんとももうすぐお別れか…寂しい」(42歳女性)と、悔やむ声が後を絶たない状況だ。
フジテレビの改編説明会では、『パイセンTV』『バカなマン』の終了に、記者側から疑問の声があがったが、宮道治朗編成局次長兼編成部長は「次の若いクリエイターや企画が渋滞を起こすくらい、トライしていきたいものがフジテレビの中にありますので、深夜の戦い方としては、ずっと長年やり続けるよりも、次の新しい企画のチャレンジとか、同じ演者さんで別の企画にトライアルするとか、違った形での挑戦の仕方を考えていかなければいけない」と、"断腸の思い"で終了に至った判断を説明。
終わる番組もあれば、当然4月から新たにスタートする番組もあり、今後も深夜ならではの突き抜けた企画が生まれることに期待したい。
●「テレビウォッチャー」調査概要
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・主な調査内容:接触数(4段階)、録画数、視聴満足度(5段階)、番組の感想(自由記述)