伊勢神宮にお参りしたら、楽しみたいのが食べ歩き! 周辺の「おはらい町」や「おかげ横丁」には、美し国(うましくに)三重の名にふさわしいグルメスポットがあふれているが、中でも紹介したいのが、地元三重ならではの自慢の味だ。伊勢市の在住経験もある筆者が、絶対外さない6店を紹介しよう。
鳥羽産の牡蠣フライ&地ビールを「伊勢角屋麦酒 内宮前店」
三重に来たら絶対に食べたい、海の幸。そこで紹介したいのが、「伊勢角屋麦酒 内宮前店」で購入できる「カキフライ串」(2粒:250円、5粒:550円)だ。伊勢市の隣、鳥羽市でとれた新鮮な牡蠣を、手軽に味わうことができる。
少し休憩したい場合には、店内で蒸し牡蠣や焼き牡蠣、それにオリーブオイルに漬け込んだ牡蠣の燻製も試してみてほしい。バラエティに富んだ牡蠣の味が楽しめるだろう。
そして牡蠣のお供には、ぜひ地ビールを。実は同店を運営する「二軒茶屋餅角屋本店」は、国際大会での受賞実績もある伊勢市のブルワリー。ペールエールやブラウンエール、それにスタウトと、さまざまな種類のクラフトビールを堪能することができるのだ。
牡蠣フライには、伊勢志摩産の古代米を使用した「神都麦酒」(グラス: 550円)がぴったり。日本地ビール協会が主催する「ジャパンビアカップ」で3年連続金賞を受賞した自慢の銘柄で、柑橘系のさわやかな香りがフライの油をさっぱりと流してくれるだろう。
●information
伊勢角屋麦酒 内宮前店
住所: 三重県伊勢市宇治今在家東賀集落34番地
営業時間:11~19時半(L.O)、木曜日のみ14時半(L.O)※店頭販売は10時~
定休日: 無休
真珠貝をイメージしたはちみつアイス「松治郎の舗 伊勢おはらい町店」
女子にうれしいスイーツも充実している。三重県で大正元(1912)年創業の水谷養蜂園が運営するはちみつ専門店「松治郎の舗 伊勢おはらい町店」では、「はちみつ最中アイス」(350円)を店舗限定で提供している。
同養蜂園のはちみつとローヤルゼリー、それに三重県産の牛乳を使用。はちみつの自然な甘さと、職人が手焼きした最中のパリパリとした食感が楽しめる一品だ。
よく見ると、最中は貝殻の形をしている。三重県は真珠養殖発祥の地であることから、真珠貝の形をイメージしたそうだ。もちろん中身のアイスクリームは、真珠に見立てている。
味は一番人気のミルク味、抹茶味、きなこ味など、さまざまな種類が用意されているので、お好みで選んでみよう。
●information
松治郎の舗 伊勢おはらい町店
住所: 三重県伊勢市宇治中之切町7番地
営業時間:10~17時
定休日: 無休
具がたっぷり入った"ひりょうず"が味わえる「若松屋」
また、伊勢市に本店を構える伊勢かまぼこの「若松屋」も、ぜひ立ち寄ってほしいお店。かまぼこをはじめとした練り物を取り扱う同店では、「チーズ棒」や「えびマヨ棒」など、食べ歩き用の商品を豊富に用意している。中でもお勧めなのは、「ひりょうず」(350円)だ。
「ひりょうず」という言葉が聞き慣れない人もいるかもしれないが、関東名で「がんもどき」のこと。ただこのひりょうず、とにかく具沢山なのが特徴だ。伊勢ひじきやしいたけ、にんじん、枝豆など、9種類の素材がたっぷりと入っていて、1個で十分満腹感を得ることができるだろう。
同店は他にも、おみやげに便利なかまぼこ商品を多数取りそろえているので、食べ歩きがてら、購入するのもいいかもしれない。
●information
若松屋
住所: 三重県伊勢市宇治中之切町(おかげ横丁内)
営業時間:9時半~17時半(季節により異なる)
定休日: 無休
伊勢神宮を流れる川の水でつくられた「豆腐庵山中」のうの花ドーナツ
伊勢神宮を参拝すると、きれいな川が流れているのが目につくと思う。「五十鈴川」という名前の清流なのだが、この川の伏流水を使って豆腐を作っているのが「豆腐庵山中」だ。ここでは、豆腐を作る時にできるおからを使った「うの花どーなつ」(100円)を味わうことができる。
手で持ちやすいサイズでヘルシーなドーナツは店内で揚げていて、外はカリカリ、中はモチモチの食感。おからの自然な甘みが、食べる人を優しい気持ちにさせてくれるだろう。
●information
豆腐庵山中
住所: 三重県伊勢市宇治中之切町95番地
営業時間:10~16時
定休日: 木曜日
おかげ横丁の食べ歩きと言えばコロッケ「豚捨」
松阪牛の産地として有名な三重県内には、松阪牛に限らず、すきやき店や焼き肉店など、おいしい牛肉を思う存分味わうことのできる店がたくさんある。創業明治42(1909)年の「豚捨」は、老舗の精肉店として名をはせていて、お店で味わえる「牛丼」は、地元でも多くの人に愛されている。
この店で、常に行列を作っているのが、豚捨特製の「コロッケ」(100円)だ。じゃがいもの中に牛肉のミンチが入っていて、しっかりと味が付いているので、ソースをつけなくてもおいしくいただける。食べ歩きしやすいよう、店名が入った紙でくるっと包んで提供してくれるのもうれしい。
初代が豚を飼っていた捨吉という男、通称「豚捨」であったことから、一風変わった名前の屋号が生まれたというが、「この店の牛肉があまりにもおいしいので『豚なんて捨てちまえ』と客が豚肉を投げ捨てたというのが始まり」という伝説も生まれるほど、肉のおいしさはお墨付き。気軽に購入できる価格でもあるので、ぜひ味わってみてほしい。
●information
豚捨
住所: 三重県伊勢市宇治中之切町(おかげ横丁内)
営業時間:9時半~17時半(飲食は11時~、季節により異なる)
定休日: 無休
やっぱり行きたい「赤福本店」
そして、やはり伊勢神宮に行くなら訪れたいのが「赤福本店」。赤福餅だけでなく、本店の建物や雰囲気の趣深さもぜひ楽しんでいただきたい。赤福の創業は江戸時代、宝永4(1707)年。本店の建物は、明治10(1877)年に建て直され、140年の歴史を誇っている。
瓦にも「あか福」の文字が入っていたり、入り口には、美しい朱塗りのかまどがあったりと、店舗を見ているだけでも楽しい。
店内では、店員がかまどで沸かした湯で、番茶をいれてくれる。茶葉は地元産のもの。焙じた茶葉の香ばしい香りと湯気に包まれた店内で食べる赤福餅は、絶品だ。
店内には座敷のほか、伊勢神宮を流れる清流・五十鈴川を臨む縁側席もあり。ここではぜひ腰を落ち着けて、伝統の味を堪能してもらいたい。
●information
赤福本店
住所: 三重県伊勢市宇治中之切町26番地
営業時間: 5~17時(繁忙期には時間変更も有り)
定休日: 無休
これら全ての商品を味わいつくすのは難しいかもしれないが、中にはランチやディナーを提供していたり、おみやげが充実していたりする店舗もある。門前町の雰囲気を味わいながら、ぜひ存分に食べ歩きを楽しんでほしい。
※記事中の情報・価格は2017年2月取材時のもの。価格は税込