月末金曜日は午後3時に退社して、買い物や旅行などを楽しんでもらう官民連携のプロジェクト「プレミアムフライデー」。2月24日からスタートした同プロジェクトは経済活性化と働き方の意識改革を目的としたものだが、外国人はどのように考えているのだろうか。在日外国人20人にアンケート調査を行った。

外国人は「プレミアムフライデー」についてどう思う? (画像はプレミアムフライデーロゴマーク)

Q. 2017年2月から、月末最後の金曜日の15時以降を休みにする「プレミアムフライデー」というプロジェクトが始まります。この取り組みについて、どう思いますか?

賛成(条件付き)

・「初耳ですが、良い方向だと思います。次の段階として、すべての金曜日にそうすると良いです」(ギリシャ/30代後半/男性)

・「すばらしい」(トルコ/30代後半/男性)

・「それで残業を減らせるなら、賛成します」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「週末の時間が長くなることはとてもうれしいことです」(モロッコ/30代前半/男性)

・「ワークライフバランスを改善するためにはとても良いと思う」(インドネシア/30代前半/男性)

・「いいと思う。長時間労働や有給休暇が取りづらい状況を少しでも解消できると思う」(台湾/20代後半/男性)

・「給料が下がっても良いから導入してほしい」(韓国/30代前半/女性)

・「週休3日制に対する意見と同じく、すばらしいと思うけど、それと同時に残業絶対なしというルールも設けるべき」(タイ/30代前半/女性)

・「しっかり土・日も休めていいと思う」(フランス/30代前半/女性)

・「これはいいと思います。私だったら、同僚と飲みに行きたいです。日本のいいところは、飲み会です。仕事の同僚と人間関係をよくすることができるからです」(ロシア/30代前半/女性)

・「休日を利用して旅行に行ったりできるので、とても良いと思います」(モンゴル/40代前半/女性)

・「大歓迎」(ベトナム/30代前半/女性)

・「とてもよい制度だと思う。月末金曜は、少し早めに仕事を終えて、豊かな週末を過ごすことでできる」(インド/30代後半/女性)

・「とてもいい制度だと思います。仕事以外に、自己啓発や趣味、家族との時間を楽しむべきだと思います」(キルギス/30代前半/女性)

・「特に意見がないです。その企業さんのご都合によるものなので、もしそれでよければ、いいと思いますが」(ポーランド/40代前半/女性)

反対(問題がある)

・「本当に実行されるようになっても、『仕事が残っているから』と言って普通に夜まで仕事が続きそうで、そのような傾向が黙認されそうです。本当に守る企業はあまり出なさそうな気がします」(イタリア/30代前半/男性)

・「反対です。定時時間を早くするより、残業の文化をなくす必要があると思います。ちゃんと仕事が終わってから、帰るべきと思います」(アメリカ/20代後半/男性)

・「仕事が終わらずに休みばかり増やすのはくびになる人が増えそうです」(エジプト/30代前半/男性)

・「週休3日と同じ問題があると思います」(ブラジル/40代前半/男性)

・「大手の人が休んで、個人経営やサービス業が働かされるだけ。悪くはないと思うけど、浸透しないと思います」(ドイツ/40代後半/女性)

総評

アンケートの結果、20人中15人が賛成、5人が反対あるいは制度に問題があると回答した。

賛成派からは、「休日を利用して旅行に行ける」「同僚と飲みに行きたい」「給料が減ってもいいから導入してほしい」「豊かな週末をすごせる」と歓迎する声があがった。

実際の盛り上がりをみると、2月8日(第1回開始前)の時点で、1,700を超える企業・団体がロゴマーク使用申請を行い、サービス業界を中心に早帰りの人を対象にしたイベントも企画。また、プロジェクトのナビゲーターに関ジャニ∞が就任し、メンバーが早帰りを呼びかけるなど、PR活動も大々的に行われた。

他には、「長時間労働や有給休暇が取りづらい状況を少しでも解消できる」「次の段階として、すべての金曜日に早帰りの導入をしてはどうか」など、労働環境や労働者の意識を変える一歩につながるという将来を見据えた意見も寄せられた。

しかし、反対派から寄せられた意見の中にもあるように、プレミアムフライデーには「休める人が限られている」という問題もある。日本人を対象にしたアンケートでも「サービス業は休めない」「月末金曜日は忙しい」「大企業でないと無理」といった声があがり、職場で実施されると回答した人はわずか2.6%だった。

くわえて、「根本的な問題の改善にはならないのでは」という疑惑の声もある。今回のアンケートで集まった「導入されても残業が黙認されそう」「定時を早くするより、残業文化そのものをなくすべき」という厳しい意見は、日本における労働問題の根深さを表しているのかもしれない。

調査時期: 2017年1月23日~2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート