米Googleは3月21日(現地時間)、Android 7.x Nougatに続くAndroidのメジャーバージョンになる「Android O」を発表、開発者向けプレビュー「Android O Developer Preview」の提供を開始した。

Googleは昨年から、メジャーバージョンアップに開発者が早めに対応できるように、それまでの開発者向けベータよりも早いタイミングで開発者プレビューの提供を開始している。Developer Preview(DP) 1はベータ前の初期プレビューであり、Android Oの強化ポイントとなる機能などを体験できるビルドだ。動作は不安定で、少なからずトラブルが予想されることから、Android Betaプログラムではなく、システムイメージのみでの提供となっている。導入できるデバイスは、Pixel、Pixel XL、Nexus 6P、Nexus 5X、Pixel C、Nexus Playerなど。

今後の予定は、DP 1に続いて、開発者カンファレンスGoogle I/O 2017 (2017年5月17日~19日)でAndroid Oのより詳細な情報を提供すると共にDP 2をリリースする。そして6月のDP 3(最終API)、7月のDP 4を経て、第3四半期に正式版をリリースする。

Androidデベロッパーズ・ブログに投稿された「O-MG, the Developer Preview of Android O is here!」でDave Burke氏 (エンジニアリング担当バイスプレジデント)は、Android Oの優先事項としてバッテリー動作の効率性やインタラクティブ性能の向上を挙げている。これらはAndroid Nougatでも改善されたが、その取り組みをさらに押し進めるために、Android Oではバックグラウンドの動作を厳しく管理する制限を設ける。主に対象となるのは暗黙的ブロードキャスト(implicit broadcast)、バックグラウンドサービス、ロケーションアップデートの3つ。例えば、写真共有サービスのアプリがクラウドとの同期のためにバックグラウンドで動作し続けていると、それだけでメモリーなどのリソースを消費して端末のパフォーマンスを減退させる。Android Oではバックグラウンドサービスではなく、アプリが定期的に起動と停止を繰り返すスケジュール化された処理に置き換える。他にもDP 1には、以下のような機能が含まれる。

通知チャンネルによって、ユーザーがアプリの通知カテゴリーをコントロール

  • 通知チャンネル:アプリが定義できる通知コンテンツのカテゴリー。対応するアプリで、ユーザーがより細かく通知を管理できるようになるという。例えば、メール・アプリで広告にカテゴライズされるメールの通知をブロックするというようなカスタマイズが可能になりそうだ。
  • アダプティブ・アイコン:丸、四角など、デバイスのUIに合わせてシェイプの異なるアイコンを提供できる。アニメーションによるインタラクションにも対応可能。
  • Picture in Picture (PIP) :スマートフォンやタブレットでピクチャーインピクチャー・モードが可能に。
  • Bluetoothオーディオの改善:LDACコーデックをサポート。
  • Wi-Fi Awareのサポート
  • WebViewマルチプロセス:Android NougatではオプションだったWebViewのマルチプロセス・モードがデフォルトに。
  • Autofill API:パスワードマネージャーなどが提供しているオートフィル機能をプラットフォームでサポート。キーボード・アプリを切り替えるように、オートフィルを用いるアプリを変更できる。
  • キーボード・ナビゲーション:Androidはタッチとソフトウエアキーボードへの最適化が進んでいたが、Chrome OSデバイスでもAndroidアプリを使用できるようになっており、ハードウエア・キーボードによる操作を改善する。

AdnroidのメジャーバージョンはAndroid 7.x "Nougat” (ヌガー)というようにコードネームにスイーツ名が付けられ、さらに頭文字がアルファベット順になるように続いている。開発初期の今はまだ次期版は「O」と呼ばれているが、一昨年のAndroid 6.x Marshmallow、昨年のNougatに続いて、今年は「O」から始まるスイーツが選ばれる可能性が高い。現時点でネット上での予想の最有力は「Oreo」、他にも「Oatmeal Cookie」「Orelletes」「Orange」といったスイーツ/果物が挙げられている。