説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『写真の印刷は自宅とコンビニどちらがいい?』という質問に答えます。
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iOSには「AirPrint」という印刷機能があり、AirPrint対応プリンタにLAN経由で印刷できます。ここ数年で発売された製品に関していうかぎり、家庭向けの写真印刷に対応したプリンタ(インクジェットプリンタ)の多くはAirPrintに対応していますから、自宅でもiPhoneから直接印刷を実行できる環境をつくることは容易です。
一方、コンビニエンスストアに設置されているマルチコピー機(コピーや印刷など複数の機能がまとめられた機器)を利用する手もあります。セブンイレブンは『netprint 写真かんたんプリント』、ローソン/ファミリーマート/サンクスは『PrintSmash』という専用アプリを用意し、あらかじめサーバにアップロードした写真を指定するか、店頭のWi-Fiアクセスポイントに接続すれば、iPhone上にある写真を印刷できます。
自宅とコンビニのどちらがいいかというご質問ですが、「コスト」と「質」の両面から検討すべきでしょう。
コストは印刷する枚数次第です。家庭用プリンタの本体価格が1万円、インクカートリッジが3千円(600枚印刷可とする)、L判フォト用紙が1枚5円と仮定したとき、500枚以上印刷すると1枚あたりの単価が30円を下回るため、コンビニより安価になります。500枚も印刷する予定がなければ、初期投資の必要がないコンビニのほうが安上がりです。
質に関しては、自宅とコンビニではハードウェア(プリンタ/マルチコピー機)の性能も印刷用紙も異なりますから、単純比較はできません。コンビニに設置されているマルチコピー機は、セブンイレブン(富士ゼロックス製/写真印刷は昇華方式)とローソン/ファミリーマート/サンクス(多くはSHARP製/写真印刷は昇華型熱転写式)で異なるうえ、店舗によりコンディションが異なるのか色の濃淡や明度にも多少の差があります。
ただし、コンビニのマルチコピー機は細かい設定が難しく(可能だとしても店頭で時間をかけて微調整するのは憚られます)、自動的に色調が補正されてしまう、周囲が自動的にカットされて印刷されてしまうことがあるなどの問題が残ります。思いどおりに写真印刷したい場合は、自宅に高性能プリンタを導入するかDPE店に持ち込むことを検討したほうがいいでしょう。