ブースの装飾を真っ黒に塗り尽くし、いつものさわやかなイメージからかけ離れたダークな雰囲気を漂わせていたホンダブース。注目度の高いモデルを数多くそろえ、ブース内は満員電車のような混雑ぶりだった。
現代に蘇った反逆者「レブル」
ホンダブースで最も注目度が高かったのは、新コンセプトのアメリカンモデル「レブル」だ。「反逆者」を意味するその名前は往年の大人気アメリカンモデルから名前を受け継いでいる。そして「本格的だが正統派ではない」という「反逆者」らしいコンセプトもまた、継承したといえる。
今回のモーターサイクルショーでは、コンセプトモデル「レブル250 スタイルコンセプト」と参考出品車「レブル500」の2台がそろい踏みした。どちらもパラツインエンジンを搭載。シート高は極端に低いが、フロントフォークは寝かされておらず、トップブリッジの位置が高い。オフロード走行を意識したような太いタイヤが装着されており、いわゆるボバースタイルのモデルといえる。
アメリカンといえばロー&ロングなクルーザータイプが主流だが、新しい「レブル」はボバースタイルを取り入れ、エンジンもアメリカンでありながらあえてパラツインを採用している。まさに「反逆者」の名にふさわしいモデルだろう。
2台の「CBR250」がそろい踏み
「レブル」と同じくらい注目を集めていたのが、ホンダファン待望の250ccスーパースポーツ「CBR250RR」。ホンダは250ccクラスの復権をかけて、2011年にシングルエンジンの「CBR250R」を発売したが、近年は他メーカーからツインエンジンのライバルが相次いで登場したため、最高出力で対抗できるツインエンジンモデルが期待されていた。
「CBR250RR」はその期待に応えるもので、インドネシアで先行発売されているが、日本仕様は国内生産になるという。詳細スペックはいまだ発表されていないが、期待に応えるものであることは間違いないだろう。ちなみに、シングルエンジンの「CBR250R」もホンダブースに展示されていた。
両モデルは併売されるのかスタッフに聞いてみると、当面はそうなるが、今後のことはなんともいえないという。こうしたラインアップとなったことは、現在のオートバイ業界の複雑な状況が絡んでいるといえるかもしれない。
ホンダのアドベンチャーモデルはスクーター
今回のモーターサイクルショーで人気が高かったジャンルといえば、間違いなくアドベンチャーモデルだ。国内・輸入ブランドを問わず、どのブースもアドベンチャーモデルが大人気となっていた。ただし、ホンダを除いて。
ホンダはアドベンチャーの要素を取り入れたモデルとして、参考出品車「X-ADV」を発表したが、これはなんとスクーター。カルト的モデルとして名高い「PS250」をほうふつとさせるが、「X-ADV」は750ccと大排気量で、つくりも非常に本格的だ。ホンダは「インテグラ」など、スポーツバイクとスクーターの"いいとこ取り"をしたような新ジャンルのモデルに何度かチャレンジしている。「X-ADV」はその最新版といえるかもしれない。
それにしても、空前のアドベンチャーブームに対するこれがホンダの回答なのか? もちろんホンダには「アフリカツイン」があり、「VFR800X」があり、「NC750X」もあるが、どれもいま人気を博しているアドベンチャーモデルとは方向性が異なる。別のアドベンチャーモデルの予定がないのか聞いてみたが、現時点で言える情報はなにもないそうだ。